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2010-11-24

[]慌てて補足 02:31 慌てて補足 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 慌てて補足 - 西川純のメモ 慌てて補足 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 とんたんさんからのコメントが何を意味しているのか分からなかったのですが、個人的メールの中にあった「西川先生が書かれた「メールで無礼な人がいる」の話でも、多くの人が「自分じゃないか」と不安になるのです。」とあり、なるほどと思いました。そこで慌てて、深夜ですが、いくつか慌てて補足します。

 「分からないのも芸の内」という部分は、従来指導型『学び合い』の手引きに書いてあるとおりです。ようは分からないのは当然で、そういう人たちが日本の教育の不易な部分を守ってくれているからです。

 「西川流の『学び合い』ではなく、我が校の『学び合い』を目指そう」という方がいます。顔には出さないようにしていますが、ガッカリします。

 とは、その方にガッカリすると言うのではなく、伝えきれない現状、そして自分の力のなさにガッカリすると言うことです。それにこの事例は、このブログを読んでいる方ではありません。それどころか、読んでいる方の知らない方です。つまり、「自分じゃないか」と思われた方に、「あなたではありません」。

 次に、OSやバグの話ですが、最近、自分は何が出来るかということを考えていて、ブログの更新も滞っていました。また、おそらく平常の私の行動にもそれが現れたのでしょう。そこでそれを感じ取ったゼミ生が、「西川先生は変」と言ったら、別のゼミ生が「現在、OSのバージョンアップ中だから、関わるのはやめろ。新バージョンはバグが多いから」と会話したそうです。そこでゼミ生がバージョンアップ終了ですねと言ったので、いえいえバグ取りぐらいです、と応えた次第です。ま、ゼミ生相手の楽屋落ちというやつです。

そのような表現が誤解を生じたようです。すみません。

 で、でも、一番伝えたかったことは、「どんな方法でも結構です。学校観と子ども観、そして一人も見捨てずに」ということにこだわってくださいということです。

 教育は人相手なのですから理論通りに行くとは限りません。日本全国の同志と同様に、私も教師として感激で涙を流すことは少なくないですが、自分のふがいなさを呪うことはそれ以上にあります。私も大学の教師であり、私にも教え子が今もいます。

 周りの無理解で苦しんでいる方も多いでしょう。でも、私だってそうです。上越教育大学の170人弱の教員の中で、『学び合い』の教員は3人だけなんです。それも、つい3年前までは私一人だったんです。その中で十年ほどは一人で生きていました。さらに言えば、「変なこと言う人」、「怪しい」とか「宗教」とかの誹謗中傷を全国レベルで受けています。

 それでも踏ん張れるのは、二つのことがあるからです。それは、なんだかんだと失敗するし、嫌な思いもするけど、どう考えても『学び合い』でやった方が相対的には良いことを疑うことが出来ないのです。もう一つは、同じ志を持った人と繋がっているからです。その多くの人は、年に一度ぐらいしか会いませんし、メールのやりとりも数回です。いや、一度も直接会ったことのない方もいます。でも、それでも同じ志を持っている人だと思うと、何故かその人と繋がっていると自分が強くなれます。少なくとも、圧倒的大多数からは理解されていないという現状において、私が強くなれる方法はそこにしかありません。

 私はゼミ生に求めていることを、私に求めます。ゼミ生に語るように、自分に語ります。一人も見捨てない、その次元で考える。多様な人間と折り合いをつけて自らの課題を解決する。同じ志を持った集団は個人の総和以上に凄い存在だ。自分に出来ないことはあるが、出来ることをやろう。最善な方法など無く、多様な方法を柔軟におりあいをつけてやり続けることが最善である。と。そして、そう信じることが自分に「得」だと。

 全国の同志の方も悩みは多いでしょう。でも、偉そうに書いている私だって、みんなと同じで成功と失敗を繰り返し、周りの無理解に悩んでいます。であれば、みんなで繋がって乗り越えましょう。仲間と愚痴るだけでも多くのことは乗り越えられます。大丈夫。現状は変わります。例え、自分で変えられなくとも、みんなが一緒になって現状を変えているのです。