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2011-01-03

[]家を建てるなら~ 16:22 家を建てるなら~ - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 家を建てるなら~ - 西川純のメモ 家を建てるなら~ - 西川純のメモ のブックマークコメント

 まだまだ先のことですが、終の棲家を定め、家を建てるとき、どんなことが大事なのでしょうか?建ててから、「あれはよかった」とか「ああすればよかった」というのがあると思います。教えてください。

 今のところ、私が思いつくのは

●二重サッシにしたい。(結露予防や断熱性が高い)

●段差がないようにしたい。(ロボット掃除機を使いたい)

●公共交通機関で病院に通える(出来れば共済組合の直営病院)

●ハザードマップを確認する。

 などです。他にどんなものがあるのでしょうか?どんなもの、どんなレベルでも結構です。

[]子どもの質問 09:07 子どもの質問 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 子どもの質問 - 西川純のメモ 子どもの質問 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私は様々な学会から賞をいただきましたが、それ以上に自慢できるものがあります。

 『学び合い』のクラスの子どもが、「この『学び合い』を最初に考えた人に会いたい」と担任に要望されることがあります。体が続きませんので、そうは行きませんが、別な出張と絡んで無理の無いときには参ります。時にはサインを求められ、列を成します。自分がスターになった気分です。

 そんなとき、「あまたの教育学研究者の中で、その実践の場の子どもたちから会いたいと願われる人はどれほどいるだろうか?」と思います。『学び合い』では教師のみならず、子どもたちにも実践の理論を明示しているからこそのことだと思います。

 残念ながら、体育館で研修主任が発表する理論と、各クラスでの姿が一致していない研究発表会が多すぎます。ましてや、その理論が何であるかを聞かされた子どもは皆無でしょう。それを不思議と思わないのが現状です。例えてみれば、校長のみが理論を理解し、それに基づく実践を各教師に指示します。しかし、校長からは理論の説明はありません。各教師は「おそらく、こんなことだろうな~」と想像して実践します。非常に効率が悪いですよね。『学び合い』の実践校では、子どもたちが主役の発表会をよくします。体育館での発表では、研究主任が5分程度で、子どもたちが主体的に調べたことを発表するのが30分ということもあります。『学び合い』ならではと思います。

 さて、そんな学校に行って、子どもたちから質問されるのは大凡2種類の質問です。第一は、「何故、『学び合い』を研究しようと思ったのか?」と「どうやって、私語・立ち歩きOKみたいな授業を思いついたのか?」ということです。前者の質問に対しては、「一人も見捨てたくなかったからだよ。クラスの中で辛そうにしている子どもの顔を見ているのが辛いし、日本中にそういう子どもがいっぱいいることを知っているから」と応えます。後者の質問に対しては、「私が思いついたんじゃないだよ。君たちみたいな子どもたちが思いついたんだよ。何を達成すべきかをハッキリと説明し、全員達成を求め続けていたら、君らがどうしたらいいかを見出したんだよ。私がやっているのは、それをちゃんとデータとして収集し、分析し、多くの先生方に説明しているんだ」と応えます。

 実証的データに基づいて理論を構築する場合、万巻の書を読んで「こうあるべきだ」という姿を想定し、実験群と統制群を設け分析します。しかし、我々はそうしません。統制群なんて子どもに失礼です。我々はホモサピエンスを信じています。子どもを信じています。だから、答えは彼らは出すものだと信じています。そして、旧来の囚われから「あれは子どもには出来ないだろう、無理だろう」というものの限定を外し、何を達成すべきかをハッキリと説明し、全員達成を求めた姿が現在の『学び合い』です。そして、未だにある子どもたちが無能であるという囚われを見出しています。囚われていると、囚われていると意識できないからやっかいです。でも、それを見出し、その限定を外すことによって未来の『学び合い』が生まれます。

 未来の『学び合い』は教室の中にではなく、その外にあると思います。つまり、全校、そして学校群、地域コミュニティの中にあると思っています。これは、2、3年の内に実証したいと願っています。きっと子どもたちが教えてくれます。