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2011-05-15

[]手引き書 06:48 手引き書 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 手引き書 - 西川純のメモ 手引き書 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 最近、『学び合い』の手引き書(中級編)の短縮版を書かねばならないかな~・・・・っと思っています。

 『学び合い』の導入段階は、『学び合い』の手引き書(短縮版)を「そのまま」やればほぼ確実に実現できます。そして、分からないことがあったら、人に聞けば良いだけのことです。導入段階の子どもの姿は「素」です。だから、子どもには素を出して良いよ納得させれば良いだけのことですので、ばかばかしいほど簡単です。

 しかし、導入段階から充実段階・発展段階に進むには、教師の力量が必要です。もちろん、教科の力量も必要になる場合もありますが、何よりも『学び合い』の考え方が分かる必要があります。導入段階に入れば、今まで悩んでいた子どもたちの人間関係が改善され、どうしようもないと思っていた子どもにも光が当たります。そうなると欲がわいてきます。そこでです。『学び合い』の考え方がしっかりしていないと、その解決を「教材」とか「指導法」に頼ってしまいます。そうなったら元の木阿弥になってしまいます。

 『学び合い』の考え方がしっかりしていれば、「そんなことは自分には解決できない」と思います。そして、その問題を子どもたちにハッキリと語り、その解決を求めるという方向になります。そこで「教材」や「指導法」を利用する場合も、教師である自分が利用するのではなく、それらを子どもたちに提示し、それを利用するか否かの選択の権利を与えます。『学び合い』の子ども観がどれほどの意味があるか、それの理解の深さが必要となります。

 また、目前の問題に目が奪われて、学校教育の目的は何かということを忘れてしまいます。そうなると、個別対応に走り、結果として軸がぶれてしまいます。そうなれば、子どもがその教師の言うことを信じられなくなります。『学び合い』の学校観がどれほどの意味があるか、それの理解の深さが必要となります。

 このあたりのことを書いた手引き書の中級編を書かねばと思い始めています。ま、それだけ導入段階を脱しつつある人の数が多くなったということです。