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2011-05-28

[]佐藤準一先生 16:56 佐藤準一先生 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 佐藤準一先生 - 西川純のメモ 佐藤準一先生 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 以下の記事をアップした直後に仁手の保護者の方からメールが来ました。佐藤準一さんがお亡くなりになりました。

 元々は、埼玉から杵淵さんが西川ゼミに所属され、その実践研究の場として佐藤さんのクラスを借りて実践したのが始まりです。佐藤さんは、杵淵さんが実践研究をじっと見ていました。そして、杵淵さんの実践研究が終わってから、自分自身で取り組み始めました。

 直ぐに自家薬籠中としました。そして、どんどん進化しました。現在、上越で広がるきっかけとなった校長が『学び合い』を最初に見たのは佐藤さんの授業です。また、生坂のM校長が最初に参観したのも佐藤さんです。それからことある毎に、佐藤さんの授業の公開をお願いしました。

 講演会で「知的な特別支援の必要な子がいるクラスで、連続3回、業者テストで全員満点を実現した先生がいる」と紹介する先生は佐藤さんです。

 全員が80%だったら、実現した同志の方は少なくないと思います。でも、それを全員85%、90%となると、極端に難しくなるのもご存じなはずです。全員100%を実現するのは、最高のクラスだけが実現できるものです。おそらく、甲子園で優勝できる野球チーム並みの凝縮力とパフォーマンスが必要です。それは本当に力のある先生が実現できる境地です。

 冬の群馬の会ではお元気でした。そして、3月に定年退職して悠々自適の生活にはいるとおっしゃっていました。今の気持ちは、悲しい、というより、ビックリしているということだけです。

 ご冥福をお祈りいたします。

[]物事を成す人 07:34 物事を成す人 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 物事を成す人 - 西川純のメモ 物事を成す人 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 25年も上越教育大学で教えていると、教え子の中には校長レベルはぞろぞろといます。中には県の教育行政のトップになった人もいます。その人たちと話すと、意外なことに、何も出来ないことを嘆く方は少なくありません。

現在、教諭の方々にはビックリされるのではないでしょうか?今は、「主任になったら」、「教頭になったら」、「校長になったら」、「県教育長になったら」出来るが、今は無理だと思っているのではないでしょうか?そして、それは教頭という立場の方もそう思っているのではないでしょうか?

でも、そのような考え方では、主任になっても、教頭になっても、校長になっても、県教育長になっても、出来ることは限られています。何故でしょう?

 教育は、ものすごい多くの人が関わっています。偉い人がどんなことを決めても、それを実行するのは、様々な職階の人です。どこかの国の絶対権力者であっても、ましてや日本国首相であっても、それを実行する人が手を抜いたりしたら、絵に描いた餅にすぎません。

 教育長は、実行してくれる校長を必要としています。校長は、実行してくれる教頭や教諭を必要としています。教諭は、意志決定してくれる校長や教頭を必要としています。そして、校長や教頭は、意志決定をしてくれる教育長を必要としています。つまり、物事をなせる人は、様々な職階の人と同じ志を持ってつながれる人なのです。それがなければ、教育長になったとしても何も出来ません。

 では、そのような人になるにはどうしたらいいでしょうか?様々な職階の人と議論し、自分の志を伝え、相手の志を聞き、その中で同じ志を持つことです。そのためには、自分のため、自分の学校・学年のためというレベルの志では繋がれません。もっと高い志が必要です。

 多様な人と折り合いをつけ自らの課題を解決するという『学び合い』の考え方は、ここでも成り立っています。

 私は大学管理職の人、主導的な教授の人、生きの良い若手の教授や准教授の人、そして様々な職階の事務の方と大学で繋がっています。それ故に、助教授の時代に一つのコースを立ち上げ、最若年の教授の時代に一つの専攻を立ち上げました。それはみんなでやったから出来ました。