■ [嬉しい]直ぐに分かる
固定化した人間関係の打破は、『学び合い』の一番最初に現れるハッキリとした変化です。成績の向上は一拍おいてからです。時間差があります。
例えば、入学以来、授業中に周りの子と関われない子がいます。「教えて」と言えないのです。しかし、援助がないと解決できない子なので、たいていの場合、分からないままです。
『学び合い』以外でしたら、見捨てられるか、その子に「聞きに行きなさい」と言うか、手すきの時にその子の近くに座って教えるかです。
『学び合い』の場合は、集団に全員達成を求めます。1日、2日のレベルはまどろっこしいでしょうね。でも、数日たつと変化が起こります。結局、その子が変わるのではなく、周りが変わるのです。
このケースの子どもの変化は、ADHDの子どもの変化とともに最も早く、そして確実に現れる変化です。でも、それによってその子は幸せになります。
『学び合い』を中途半端にやって投げ出す人と、辛くても踏ん張る人の違いの一つは、このような子どもたちの苦しみの深さを理解できるか否かではないか、と思います。
本日、私が手ほどきしている学校の校長からメールが来ました。自慢します。
「今日は、もっとすごいことが起こっちゃいました。○○君といって、今まで教育補助員さんが付ききりで補助しても、授業中に他の子供と交わらなかった子供がいるのですが(先日は2名の男子が一瞬声をかけただけの子)、今日は女子数名が声を掛け、おまけに算数の内容まできっちりと教えているようなのです。○○先生が、にこにこして写真を撮って持ってきました。「子供は自分で学ぶことができる」ということの意味が少しわかったような顔をして…。『学び合い』恐るべし!。これからこの学級も変わっていくでしょう。」
何が嬉しいか。それは、その子の変化を、担任の先生が喜んでいることです。子どもが分かるか否かを目的とするか、それに端的に表れる、子どもたちの幸せを目的とするか。同じ点数にこだわっても意味が全然違います。
■ [お知らせ]改名(洗脳旅行)
我がゼミに泊まり込みで学びにくる奇特な人が出てきたのは平成16年度の末頃です。それが頻繁になるにつれ、シャレで「洗脳旅行」という言葉が平成18年頃に生まれました。その当時は、本当に「洗脳」を求めてきた人です。だって、今と違って、海のものとも山のものとも分からないもののために、大枚のお金と時間をかけてくる人なのですから。ですので、こられる方もシャレを楽しみ、自らも「洗脳旅行」という言葉を使い始めました。
が、最近は違います。『学び合い』が広がるにつれて、その目的も多様になりました。今後は、「『学び合い』のアラ」を探しに来られることさえおこるかもしれないというぐらい『学び合い』は広がっています。こりゃ「シャレ」が分からん人もいるでしょう。それに今後は個人相手ではなく、学校単位や教育委員会・行政単位のおつきあいが増えることが予想されます。
いままで色々な方より改名を促されていましたが、半分意地で使い続けていました。しかし、『学び合い』を取り巻く状況から改名することにしました。
今後は「西川ゼミ研修」、「研修者」という至極普通の言葉を使うことにしました。ちなみに、このネーミングはゼミ生には不評でした。
■ [お誘い]『学び合い』の会
6月26日に「『学び合い』模擬授業から特別支援教育を考える」という会が東京であります。お誘いします。http://j.mp/kRwbgV