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2011-06-05

[]リアルな荒唐無稽 19:16 リアルな荒唐無稽 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - リアルな荒唐無稽 - 西川純のメモ リアルな荒唐無稽 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 『学び合い』の研究を始めた頃、ごくごく普通の価値観を持った研究者でした。ただ、全員分からせたいということには拘りました。が、あくまでも勉強が分かることを目指しました。それが勉強だけではなく全人的な成長が出来ることが分かりました。そして、『学び合い』が教育だけにはとどまらず、実は人間集団の管理の一般論であることが分かりました。

 2002年に出した「学び合いの仕組みと不思議」という本の最後に以下を書きました。

『さらに、異学年にとどまらない。学校同士がネットワークで結びついた学び合い(即ち、学び合う学校群)、学校外の一般社会と結びついた学び合い(即ち、学び合う社会)を模索している。それによって、社会みんなが救われるのではと考えているが、こうなると宗教に近くなってしまう。筆者の研究室所属のゼミ生には「最終的には「学び合う宇宙」までいけたらいいな」といって、ほら話を締めくくることにしている。』

この当時は異学年に手をつけ始めた頃です。当然、学び合う学校群、学び合う社会は夢の段階でした。しかし、今では学び合う学校群は実現し、地域コミュニティレベルでの学び合う社会は今年度中に出来るでしょう。そうなると、既に社会改革のレベルになりつつあります。

 次は宗教レベルになると考えています。あわてて補足しますが、自然科学と同じ意味での宗教です。そして、自然科学と同じぐらい成功する宗教になると思います。例えば、化学は「物質は粒である」という考えに基づいた宗教だと思っています。ではご本尊は何かと言えば、自然です。

では、『学び合い』は何かと言えば、学校観と子ども観を一般化すればいいのです。つまり、「多様な人と折り合いをつけて問題解決をすることが幸せに繋がる」、「人間集団は有能である」という考え方です。では、ご本尊は何かと言えば、ホモサピエンスのDNAの中に刻みつけられた戦略です。

 私は5年後の状態をリアルに想像できます。それは多くの人には荒唐無稽に見えるでしょう。でも、我々はその荒唐無稽を実現しつつけています。今の想像を実現します。しかし、5年後の私が、その時点の5年後(つまり10年後)に何を想像しているかが想像出来ません。こんな馬鹿げた想像し、その馬鹿げたことを公言し、それを実現する人を増やしたい。

 ということで、ゼミ生を煽りました。楽しみです。http://j.mp/lOr9uT