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2011-07-02

[]吟味 21:46 吟味 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 吟味 - 西川純のメモ 吟味 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日、息子の宿題をチェックしていながら、残念に思います。小学校の算数の多くは筆算が占めています。息子には大事だよ、と「嘘」を言いますが、全く無駄だと思います。成人してから筆算したことなんてありません。数の性質を学ぶと言うことに、どれだけ筆算が必要なのでしょうか?

 テレビを見ていると漢字の書き取りのためのノウハウが放送されていました。それほど必要とは残念ながら思いません。言葉というのは、伝える人と伝わる人の両方が分かってなければ意味がありません。それほどの感じが必要であるとは思えないのです。明治初期の本を読める人がどれほどいるでしょうか?その当時の漢字を常識だと言い放って、それが分かる大人がどれほどいるでしょうか?

 私のもともとの専門は理科教育学です。過去の様々な論文を読んでみて、「これこれは必要である」という論文は山ほどあります。でも、「これこれは必ずしも必要ではない」と書いてある論文は殆どありません。「必要だ」と言うのは楽です。「不必要だ」というのは見識が必要です。

 そもそも、現在の学校で教師が忙しいのは、書類の多さです。でも、それらは、なんか事故がある度に小役人作成するマニュアルに由来します。対策を講ずる方が楽です。対策を削減するのには勇気が必要です。残念ながら、それを出来る人が殆どいません。

 ドラッカーは、生産性の低くなったかつての成長部門を廃止することが大事だと言っています。残念ながら、教育において、それはなされていません。だから、『学び合い』のことはさっさと終わらせて内容論の吟味に移りたいのですが。

[]十日町 05:58 十日町 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 十日町 - 西川純のメモ 十日町 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日、十日町で講演をします。http://bit.ly/hSAqYA

[]小小連携 05:58 小小連携 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 小小連携 - 西川純のメモ 小小連携 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 昨日、小規模校同士の教科学習を通した小小連携がありました。本格始動です!

[]教職大学院 05:58 教職大学院 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 教職大学院 - 西川純のメモ 教職大学院 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 教職大学院で1年間なんだ学生が、「教職大学院で学ばずに教員になるのは犯罪だ」とつぶやきました。私も教職大学院で学ばずに教員になった一人です。彼の言葉が分かります。

 教員になった方だったらおわかりだと思います。教員は、4月1日の辞令を受け取った瞬間から「先生」と呼ばれます。そして、その瞬間から10年の経験を持った先生と同様の仕事をすることを同僚から求められます。子どもや保護者からも、当然のようにそのように期待されます。

 一方、なって仕事をし始めると、直ぐに大学で学んだことは役に立たないし、大事なことは教えてもらっていないことに気づきます。特に教員養成系大学以外で免許を取った場合(私もです)、教科内容に関しては教えてもらえますが、どのように教えるかということが殆どかけています。また、クラス経営も教えてもらいません。教科のことがいっぱい知っていれば、教えられるという教育です。

 確かに、クラスに問題が無く、子どもたちが「学ぼう」とする構えがあるクラスだったら大丈夫でしょう。でも、そんなクラス、日本に1%もあるでしょうか?

 今の教員免許状は、9割が座学で、5時間程度の教習所内の運転だけで、路上無しで免許を与えるようなものです。現状の教育実習はガチガチに実習担当教諭の保護の基でやっている実習です。それは教習所内の運転のようです。だから、私もそうでしたが採用されて4月から5月の連休までは地獄になり、とにもかくにも1年間はジェットコースターのような日々で新規採用者は過ごします。

 よく事故を起こさなかった・・・と思います。いや、対物事故はいっぱいあったと思います。人身事故は接触程度はあったでしょう。でも、十分に死亡事故を起こす危険性はあったと思います。

 日本の免許制度は、戦前の師範教育の反省に基づき、開放制度を基本としています。そのため、どんな大学でも出来る座学中心の免許制度となっています。現在、それを見直す時期に来ていると思います。なぜなら、明らかにかつてに比べ現場学校の教育力が低下し、一方、保護者からの要求は高くなっているからです。

 現状の教員採用試験は、大学入試レベルの教科内容と、最低限の人物を見る面接で行われています。でも、これでは大学入試直後の高校3年生が一番通りやすい試験です。だから、高校3年までにちゃんとした勉強をした人ならば受かります。が、受かった後にやめていく人が現在、非常に増加しています。また、やめずとも、安直な路線に陥る人も増えています。

 しっかりした実地経験を長期に受けてから教師になるべきだと思うのです。それが若い人の幸せに繋がる。