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2011-08-09

[]高校 21:59 高校 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 高校 - 西川純のメモ 高校 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 高校教師は基本的に教員養成系大学で養成されません。例えば私は理学部(正確に言えば第二学群生物学類)を卒業しました。教員免許に必要な教職科目は他学部の先生の単位を取ります。そして、普段教えてくれる先生は「科学こそ素晴らしく、教師は科学者になれないやつらの仕事」と思っていたと思います。少なくとも、「教育なんて大学で学ばなくても科学さえ学べばいいんだ。教育なんて学校に勤めたらそこで学べばいい」とはっきりと言われたことは何度もあります。

 現場で高校教師の研修会に参加すると、そこで交わされる会話は理学部で交わされる会話と同じ言葉が使われます。しかし、その会話は理学部で実際に研究されているものよりも低レベルであることは私でも分かります。でも、とにかく教育のことが会話されることは殆どありません。そのような高校教師が多いのですから、当然、高校教師向けの教育書は殆どありません。あるとしたら面白実験書や、学校で行われる実験を精密な物理で記述しているような本が多少あるぐらいです。

 ところが、何が原因かはわかりませんが、この数年、明らかな変化が見られます。内容ではなく指導に興味を持つ高校教師が増えてきています。今年の『学び合い』フォーラムでは高校教師の参加がやたら増えているのが印象的です。あきらかに例外的な教師がたまたま興味を持ったというレベルではなく、高校教師の指向性がはっきりと変わり始めていると思います。

 私のところには様々なチャンネルから、様々なアプローチがあります。それらは独立しています。が、ハッキリとした傾向が見られます。それを一言で言えば、個人のレベルでのトレンドではなく、明らかに学校・行政のレベルでのトレンドです。これが続くならば、あと3年以内に、高校教育と『学び合い』の関係は激変すると思います。

 現在の高校の変化を見るならば、相対的に中学校の変化が弱いように思います。何故なのだろうと思います。中学校の特徴は、学年意識が強い。これは導入の段階では障害になりますが、逆に、一度導入されるならば、学年レベルで一気に進む可能性があるのです。もったいないな~。

追伸 今私が感じている変化を、私の元々の出自である理科教育学の世界が感じているか?とふと頭に思いました。少なくとも学会誌(私はその一つの学会誌の編集委員長です)にはそのトレンドが現れていません。小学校での授業研究がどんどん高校教育に入り込み、それが学術研究に反映されるかもしれません。モニターしたいともいます。

[]偽学生さん 06:45 偽学生さん - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 偽学生さん - 西川純のメモ 偽学生さん - 西川純のメモ のブックマークコメント

 昨日は埼玉から大分から参集いただいた偽学生さんを交えて関西で講義をしました。その後、飲み会。楽しかった。点と点を線に、線と線を面に、面と面を立体にしたいと願います。