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2011-11-08

[]パンデミック 06:59 パンデミック - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - パンデミック - 西川純のメモ パンデミック - 西川純のメモ のブックマークコメント

 『学び合い』だって何だって、その人の人間的な迫力が結果に影響する。人の褒め方、脅し方、そして、どんな夢を語れるか、それは結果に表れる。教科内容に対する理解も『学び合い』も発展段階になれば決定的になる。が、そんなこと言ったら、『学び合い』だって何だって、教師やっていられない人が大多数。だって、教師は日本中に100万人いる、もっともありふれた職業なんだから。ごく普通の兄ちゃん、姉ちゃん、オッサン、オバサンが毎日やっているのだから。

 一人も見捨てたくない。それは子どもや保護者ばかりではなく、教師も同じ。ごく普通の兄ちゃん、姉ちゃん、オッサン、オバサンも見捨てたくない。残念ながら、ごく普通の兄ちゃん、姉ちゃん、オッサン、オバサンが、スーパーマン教師の本や講演を聴きながら、私もああなりたい、なろう、と考える。でもそれは、テレビのサッカーの試合を見てJリーガーを夢見ている小学生と同じ。残念ながら絶対に無理。スーパーマンだからJリーガーなのですから。

 でも、従来指導型と『学び合い』を比べたらば、『学び合い』の方が普通の兄ちゃん、姉ちゃん、オッサン、オバサンでも出来るようになる。何故なら、従来指導型は教師一人で背負っているのに、『学び合い』はクラスのみんなで背負っているから。

 例えば、従来指導型はクラスのみんなに分かる説明をしようとしている。結果は、当然出来ません。そうなると普通の兄ちゃん、姉ちゃん、オッサン、オバサンは、自分の力不足、努力不足と自分を責める。でも、『学び合い』は子どもの理解の多様性から、それが無理だと説明します。

 同様に、従来指導型はクラスのみんなを掌握し、やる気を持たせようとする。それも無理なこと。そりゃ、どこかの国の独裁者みたいな管理をする人だったら、一見掌握しているように見えるかも知れない。でも、それはクラスの問題が闇の中に隠れ陰湿化するだけのこと。

 『学び合い』は無理なことを求めません。一人も見捨てないということは自分の得である、ということを繰り返し繰り返し語ること。それによって、その言葉の意味が理解できる子どもが周りの子どもに声がけする。それによって一人も見捨てない集団を創り上げるのです。

 このことがより多くの教師の方々に分かりやすくする仕掛けを構想し、あるところに提案しました。それが成立すれば、超簡単に『学び合い』ができます。本当に馬鹿馬鹿しいほど『学び合い』が出来るようになります。パンデミックが起こるでしょう。

 もちろん、超簡単マニュアルでは『学び合い』の願いや考え方は伝えきれません。どんな悲惨なクラス、職場においても「一人も見捨てない」と踏ん張れるには人と人との繋がりが必要です。子どもたちの能力を信じられなくなったとき、それが信じられるようになるには、自らの実践の中でそれを乗り越えた人との会話が必要です。しかし、今、それを語れる人は日本の各地にいて、ネットワークの中で繋がっています。

 私は『学び合い』が誤解されることが怖くて、学術的な厳密性を保って伝えることを最初にやりました。それでも分かってくれる人はいました。でも、それ以上に広げるには手段が必要です。それ故に、『学び合い』の会を立ち上げ、『学び合い』の手引き書、『学び合い』の導入書を書き、ネット上に公開しました。そして、職場の関係でなかなか出来ない人のために従来指導型の手引き書を書き、ネット上に公開しました。多くの方々の強力の上に、最初の語り集や指導案などの資料を集め、公開しました。そして、現場の実践者が中心となってスタートブックが出来ました。それらのことによって、今、日本中に広がっています。

 今まで怖くて封印していた、超簡単マニュアル、それこそ何の努力もなく、印刷して子どもに渡せばいいというレベルの教材を世に出して良い段階に進んだと思います。「な~んちぇって『学び合い』」と『学び合い』の違いが分かる人は日本全国にいます。そして本当の『学び合い』の姿を見せられる人が日本全国にいます。パンデミックの用意は出来ました。フォフォフォ

 さて、それに乗ってくれるところが、ど、こ、か、と言うことだけのことです。