■ [う~ん]プリンキピア
大学生の時、ニュートンのプリンキピアを読んだときの感想は、とにかくまどろっこしいのです。「いいじゃん、そんなこと」というところを重箱の隅をつつくように書いている。おそらく、現代の力学の本だったら二三十ページですむようなことを延々と書いている。はては神が出てくるし、デカルトやライプニッツに対する嫌味みたいなものまである。
でも、今は分かります。彼はデカルト派との論争に疲れていたし、ライプニッツとの戦いにも疲れていた。だから、一行書くごとに、自分の文章をどのように批判するであろうと言うことが分かってしまう。そのため、その批判に対する予防線を張ってしまう。結果として、古典力学がニュートンの勝利に終わった後の人間にとって、まどろっこしくなってしまう。
今は、ニュートンを慰めたくなる。今は、その気持ちがよく分かる。