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2012-02-06

[]人 22:42 人 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 人 - 西川純のメモ 人 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日、我がゼミが支援に入った学校の校長先生が話し合った。その内容はゼミ生のブログ(http://amba.to/yn5UCH)に書いてあったことと重なる。

 『学び合い』を「変」と思う方が普通だとゼミ生には繰り返し語ります。私が語ることは多くの人には共感を得ないとも語ります。でも、『学び合い』を理解した人の誠実は分かります。『学び合い』は「変」と思ったとしても、ゼミ生の誠は分かります。そこから『学び合い』も理解してもらえます。

 ゼミ生の至らないことは多いだろう。でも、「一人も見捨てない」という、多くの教師にとっては「建前」と整理されることを、本気で実現できる「かも」と思いこんでいる学生集団は大きな力を持っています。ゼミ生が実感してている以上に。

[]三研究室合同卒業旅行 22:21 三研究室合同卒業旅行 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 三研究室合同卒業旅行 - 西川純のメモ 三研究室合同卒業旅行 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 昨日は、教え子であり同僚である水落さん、久保田さんの研究室と一緒の旅行です。いつも関わっている学生さん達ですので、気楽な会です。ということで、昨日は久しぶりに飲み過ぎました。ふぉふぉふぉ

[]これって凄いかも 22:21 これって凄いかも - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - これって凄いかも - 西川純のメモ これって凄いかも - 西川純のメモ のブックマークコメント

 ムーアの理論に基づき、昨年の夏頃から暖めていた成果を「小規模校向けの全校教科学習活動」としてネットブックにアップしました(http://bit.ly/n9a6EUhttp://bit.ly/tvTn3E)。そして、それは今年の1月から地元の一つの学校(A校としましょう)で実践しています。そして本日から別のB校でも始めました。本日はA校、B校を参観して手ほどきをしました。

 私が生み出したものながら、そして、理論的には予想していたものながら、ほれぼれとするほど凄いものを生み出したと畏怖します。A校に関しては、今の状態では考え得る最高の状態にまで進んでいます。全校教科学習活動というのは週に1度だけ全校で『学び合い』をする活動です。その活動は小規模校用にアレンジしています。ですので、A校が『学び合い』を経験するのは8回目にすぎません。が、参観すると素晴らしい。子どもの変容は当たり前のことですが、先生方の変容の速度が凄いのです。中には、お亡くなりになった埼玉の佐藤準一さんと二重写しになるような、子どもとじゃれ合いながらプレッシャーを与える教師の姿が見られるのです。超小規模校なので、子どもだけでは解決できない場合があります。その場合は、教師の介入が必要な時があります。その間合いが絶妙なのです。入りながらも暴走せず、すっと引く。『学び合い』の考え方が腑に落ちない限り絶対に出来ない間合いが皆さんが出来るのです。本当に凄い。

 B校での最初の実践です。先生方はびくびくです。やって良いこと、悪いことの線引きが分からなく戸惑っていました。その先生がたにアドバイスをすると、そのアドバイスがするすると吸収されるのがよく分かるのです。打てば響く。そんな感じです。次回が本当に楽しみです。A校と同じように超高速で進化するであろうことを確信しました。

 小規模へき地校は、牧歌的な印象を受ける方が多いですが、実は追い詰められています。子どもも教師も。だから、受け入れる素地が十分にあるのです。そして、子どもたちは授業以外は全校『学び合い』で過ごしている時間が多い。それに週1度だったら、怪しげな『学び合い』に全面的に乗っかれる。そして、全面的にのっかれば、直ぐに『学び合い』によって開放される子どもたちの凄さを実感されます。だから成長が早い。分かりさえすれば、次のステージに移る可能性が高くなります。

 A校の先生方には、全校『学び合い』の周期を多くすること、多様な教科に広げること、そして他校との交流が必要なこと、そして地域の人たちを巻き込むことを語りました。分かっていただけたと思います。そして、一ヶ月後にはB校の先生方にも分かっていただけると思います。

 我ながら凄いマニュアルを作っちゃったと思います。あとは、声がけのマニュアルと、課題づくりのマニュアルを作れば、パンデミックの準備は完了だと思います。

 『学び合い』で学校づくりを考えている同志の方へ。無理強いはしないで下さい。『学び合い』を「変」と思うのが健全な先生です。その方々に強いれば、学ぶよりも、それを否定することにエネルギーを費やします。だから、分かる人に伝えればいい。でも、もし全校でやろうとする場合、週1の全校教科学習レベルから入ると良いと思います。それで『学び合い』が変な新興宗教ではなく、まっとうなことを純粋にやっているだけのことであることが分かります。

追伸 声がけのマニュアルと、課題づくりのマニュアルを今年度中に用意せねば。それさえ出来れば、広がり方は早くなる。その上で、その上の状態を示せる同志がいれば、「考え方」のレベルにシフトできる。

[]学修成果発表 18:11 学修成果発表 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 学修成果発表 - 西川純のメモ 学修成果発表 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 自慢のゼミ生の発表を動画アップしました。http://bit.ly/At3Vhd

[]基準 08:50 基準 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 基準 - 西川純のメモ 基準 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私は色々な方から質問されたとき、その是非の判断するまでの時間が非常に短いと思います。その多くは、何度も聞かれるパターン化されているものなので、大脳を使わなくても脊椎レベルで判断できます。しかし、それ以外のものでは判断が速いと思います。秘密は、シンプルな判断基準を持っているからです。(http://manabiai.g.hatena.ne.jp/jun24kawa/20011023/1173073088

[]大人 08:21 大人 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 大人 - 西川純のメモ 大人 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 『学び合い』を教育としてではなく、人材管理と考えると旧来の「しっぽ」を捨てやすいのではないかな~っと思います。もちろん、「日本でいちばん大切にしたい会社」で紹介されているような、部下の幸せを第一と考える会社の人材管理です。

 私は25で高校教師になりましが、その教室には36歳のNさん、42歳のHさんがいました(定時制高校なので)。その人から「先生」と呼ばれることに非常に抵抗感があったのですが、仕事です。そして、上越教育大学に25年勤めています。その大学には四十代、三十代の現職教員が派遣されます。結果として、私の大学教師人生の過半数は、過半数のゼミ生が私より年上という状態でした。ゼミ生の全員が私より年下という状態は十年になりません。四十代、三十代で家庭も子どももいる人を指導する場合、当然、指導できる範囲と出来ない範囲(逆に私が指導された方が良い範囲)の線引きに敏感になります。また、指導する場合、学則に則り、強く求める範囲と提案すべき範囲の線引きに敏感になります。 また、大人に教えるのですから、手取り足取り、おむつ替え、ということはしません。そして、何かを求める場合は、ちゃんとその理由を言わなければなりません。

 私が「学習者は有能である」と言う場合は、大人と同じレベルで有能で、また、限界もあると考えます。基本的に、大人として考えます(小学校1年生でも)。そして、それを越えたことをする場合は吟味します。具体的には、そのようなことを全員できないか?と問います。たいていの場合は、誰かが出来ます。一人も見捨てないという原則さえ守れば、大人が介入する必要はありません。

 『学び合い』を理解するにはドラッカーやリッカート等の経営学の巨星の本を読むと良いと思います。上級管理職(社長、取締役)に求められているのは細かなことではありません。もっと大きな視点で動かねばなりません。具体的には、その集団の進むべき基本戦略の方向性を決めることです。その場その場で臨機応変に対応するところは下級管理職(主任、係長)の仕事です。

 日本の教育において上記の意味で教育を行った優れた教育者としてまず頭に上るのは吉田松陰でした。彼の松下村塾で彼は殆ど教えませんでした。学習の殆どは学習者の中で完結していました。その代わりに吉田松陰がやったこと、それは学習者が想像も出来ない夢想をすることです。彼の夢想が時代の方向にあっていたため、彼のもとからは優れた人材が生まれました。『学び合い』もはじめは「これこれを実現せよ」と具体的な課題を与えます。そして、それを教師が評価します。それは下級管理職のやっていることと同じです。しかし、子ども集団が育てば、抽象的でとらえどころのないもの凄いことを求めます。そのレベルになると細かな評価は他者が出来ません。管理職が言えることは「それでいいのか?それで十分か?私にはつまらない」とだめ出しをするだけのことです。

 私はそのレベルのことを小学校1年生でも出来ると確信しています。

追伸 立志伝の経営者の経営学は松下幸之助以外は読むべき本は少ないように思います。急激に会社が大きくなると町工場での経営学を大会社でも適用できると思い込む人が少なくない。それを旨くシフトしたのが松下幸之助だと思います。そして、自分には出来ないと思い身を引いたのが本田宗一郎です。ドラッカーはこのシフトが出来るか出来ないかがベンチャー企業の最大のポイントだと言っています。教師も同じです。従来指導型でも良きことが『学び合い』にも良きことである場合もあります。しかし、一定以上になれば質的に別種になるのです。教室レベルでの『学び合い』と、学校・学校群・地域コミュニティレベルの『学び合い』は別種です。後者の『学び合い』は、上級管理職と下級管理職を分けて運用すれば前者でも適用できますが、前者の『学び合い』は後者に適用できません。なぜなら、前者には下級管理職のノウハウはありますが、上級管理職の立ち位置の視点が弱いからです