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2012-02-20

[]西川流 18:42 西川流 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 西川流 - 西川純のメモ 西川流 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 たまに西川流『学び合い』ではなく、本校独自(私独自)の『学び合い』を求める、と言う言葉を聞きます。困ったな~と思います。あえて私が拘っているのは何かといえば「一人も見捨てず」で、そのための学校観・子ども観だけです。

 以下の例は物理嫌(つまり日本人の大多数)の方には分かりづらいかもしれませんが、最も正確なたとえ話なのであえて書きます。

 大学で物理を学んでビックリしたのは、F=mαという式を3次元空間に拡張して、それを積分したり微分したりすれば高校で学んだ物理の公式の大多数は導かれるということです。な~んだ、と思いました。高校ではそれらをばらばらの公式にして覚えさせ、使わしているのですから。が、大多数の人にとっては、そのやり方の方がまだ「まし」の教え方であることも分かります。とにもかくにも物理学の訳の分からんF=mαという公式を丸の見込みして、それを微分したり積分したりするのは難儀ですから。とりあえず、実際に使える公式を覚えさせ、それを適用する方が「まし」ですから。

 でも、本当に物理を学ぶとしたならば、大学の物理学のように基本となるF=mαを学び、それを様々に展開し、その強力さを実感する方が良いのです。高校での物理は、その前準備にしか過ぎません。

 私は色々な人に『学び合い』の手ほどきをします。それは具体的な色々な場面で、どうやるかという質問に応えるものです。私はありとあらゆる事に瞬時に応えます。その理由は、『学び合い』をし始めた方の悩みは非常にパターン化しているということが第一の理由です。でも、それだけではありません。『学び合い』は学校観と子ども観の二つの考え方からありとあらゆる事が導かれるからです。あたかも古典力学の公式がF=mαから導かれるようなものです。

 でも、手ほどきを受けている方にとっては、その公式から導かれる具体の手だてが『学び合い』の本体と思ってしまいます。そして○○流『学び合い』というのは、そのレベルの違いを言っている。でも、それが本体と矛盾しないならば、私にとってはどうでも良いことです。困ってしまうのは、そのレベルの手だてが『学び合い』の本体に矛盾してしまう場合です。本当に困ったな~っと思うのです。でも、最初は本体とどうでも良いことの違いが分からないのは当然です。

 現在、二つの学校の『学び合い』の手ほどきをしています。実に仕上がりが良い。その理由は「素直」なのです(http://bit.ly/xiQvRZ)。私の言うことは驚天動地のように見えるようなことです。でも、とりあえず「素直」にやっていただいている。「素直」にやっていただければ、子どもは速やかに優れた力を出してくれます。そういう姿を多く見ることによって、本当に子ども集団は有能であると思ってもらえます。そして、教科学習と生徒指導は矛盾しないという姿を見れば、学校教育の目的は何かということを受け入れられるのです。そのような経験を通して、学校観・子ども観を理解し、一人も捨てないということが建前ではなく実現可能であることを実感していただける。素直が大事だと本日も思いました。

追伸 手ほどきが終われば、その人、その学校が、学校観・子ども観に照らして考えればいいことです。それが多様であることは望ましいことです。