■ [お誘い]福島
4月1日福島県郡山で語ります。http://bit.ly/yTtIE5
■ [大事なこと]全員達成
何度も書いたことをもう一度書きます。
『学び合い』では全員がある課題を達成することを全員に求めます。が、知的な障害がある場合、それが達成できないことが繰り返されるとします。そうなると、どうしようもなくなります。ここで悩むのです。
これは学校観と子ども観に立ち戻れば解決できます。
『学び合い』の学校観とは、学校教育の目的は「多様な人と折り合いを付けて自らの課題を解決すること」です。自らの課題はなんでもいいのです。極論ですが、鼻くそのほじり方です。5分間で鼻くそを綺麗にとれるという課題を与えたとします。ところがそれが特定の子どもが出来ないことが繰り返された時、暗くなるでしょうか?ならないでしょうね。暗くなって出口が見えなくなるのは、例えば算数の問題を解くことがとても大事なものだと思っている証拠なのです。
この状態に陥ったら、学校教育で一番大事なのは何かを何かを語りましょう。そして、それを分かっていなかった自分を自覚し、子どもたちに謝りましょう。その後で3つのパターンがあります。
第一は、夢を語るです。つまり、例えば80点を取ることが重要ではなく、全員80点を取ることのロマンを語り、無理でもそれを目指そうと語ることです。達成できなくとも、それ向かって「多様な人と折り合いをつけて自らの課題を解決すること」に向かった子どもたちの行動を価値づけるのです。これが順当なところです。
でも、『学び合い』の子ども観、つまり子どもを信じられると、次の二つがあります。
第二は、新たな目標を設定させる。つまり、『学び合い』の学校観を達成するために、適切な課題目標を設定させるのです。例えば、各自が元々の20%以上の点数上昇を実現するでも良いですし、特定の子どもは60点でも良いという課題です。それを教師が決めるのではなく、子ども集団がつくると言うことが大事です。子どもが、テストの点数が重要ではなく、「多様な人と折り合いをつけて自らの課題を解決すること」の意味が分かっているならば、個々人の課題が設定できます。子どもたちが、教師に「これこれの課題にしてくれ」と要求するような集団をつくれたらOKなのです。教師のやるべきことは、子どもたちを前にして「この課題で、君たち全員が幸せになれるか」と問い、全員が自信を持ってうなずければ、OKです。
第三は、達成する、です。本当に子どもの集団の能力を信じられた教師だけが味わえる境地です。多くの教師には「無理」と思うでしょうね。でも、知的障害の子どもも、業者テストでかなりの点数をとることが出来るのです。ま、算数・数学・体育・物理では困難かも知れませんが、その他の教科では出来ます。実現した教師を私は知っています。不遜ながら、西川ゼミはその域をキープしていると思います(常にとはもうしません)。
全ては学校観・子ども観に帰結します。短い言葉ですが、それを徹底すると凄いことが生まれるのです。
追伸 成績上位、中位、下位、そしてだれだれ、その問題を考えるのは、教師ではなく、子どもであるということです。教師の仕事は、そういう集団をつくることです。