■ [大事なこと]我が儘
教師も夫であり、妻であり、親であるのです。だから、家庭の時間を大事にすべきだと言うべきです。でも、若手は言いづらい。ならば、おっさんはそれを言うべきです。
苦労した人には2種類います。私が苦労したんだから、おまえもしろ。もう一方は、私は苦労したから、おまえはそうなさえない。後者を言うためには、やるべき事は多い。
■ [大事なこと]伴侶
本日、出張中にて映画「ツレがうつになりまして」を見ました。それに関して。
私は家庭の時間を大事にします。大学の仕事で勤務時間を超える仕事を求められると拒否します。これは、ここ3代の学長に関して一貫した方針です。あるとき、そのことを注意されました。その当時の学長に、「私のおむつを替えてくれるのは、学長ではなく家内です」と言いました。それ以来、私に勤務外の仕事は求めなくなりました。しかし、この我が儘が出来るためには、勤務時間内に膨大な仕事をこなし、文句を言われないように最善を尽くしました。
あるとき尊敬する同僚にそんな話をしました。その同僚は、「おむつを替えるのは奥さんではなく、あなたになるかもしれない」と言いました。一瞬、ビックリしました、それもあるなと思いました。でも、すんなり受け入れられます。
我が息子を育てるとき、どれほど自分の時間を犠牲にしたか。でも、それは納得しました。息子がニコニコしてくれれば、それでいい。それと同じだと思います。仮に、家内がそうなっても、家内が我が子になるだけです。手はかかりますが、可愛い我妻。それも、ずっと子育てが出来ます。
ま、気がかりが二点。第一は、女性の寿命は長いこと。でも、私が出来るだけのことをした後は息子とその家族がやってくれるでしょう。もう一つは、我が子を育てるとき、特に、乳児の時は、私に逆らいません。でも、家内の時は逆らうだろうな。でも、それに対する耐性を、中学校に進学する息子で学ばねばと思います。ようは「愛している」ということだと思います。
■ [大事なこと]白熱教室
サンデル教授の白熱教室は有名ですね。私もビデオや本を読みました。教師として憧れます。あれをやる方法の解説は色々あると思いますけど、私は比較的簡単だと思います。そして、少なくない教師がそれを実践しています。方法は同じテーマを何度も子ども達と議論するのです。人間の発想は限られています。ま、5回ほどやれば大部分の回答は出てきます。そしてそれに対する良い回答方法も生まれます。白熱教室で出されている話題は、その多くは決まり切ったパターンの積み上げなのです。したがってサンデル教授といえども、聴衆の方からお題を出してもらいそれを議論すれば、あれほどのスピード感は出せないと予想します(もちろん出来るかもしれませんが)。
でも、たまに自分の予想を超えた発言があります。そうしたら、まず、それを高く評価します。そして、それが何を意味するかを発言者に説明してもらいます。そのうちに頭が整理されて、回答が生まれてきます。
最悪、回答が生まれてこなかった場合はどうしたらいいでしょうか。非常に高く評価し、そしてその話は打ち切りにすればいいのです。発言者の気持ちとしては高く評価されたので気持ちが良くなっています。また、説明をいっぱいできたので満足です。従って、打ち切りにされても、それに拘りません。周りの聴衆も、議論に答えられなかったという印象より、多様な意見を評価できる心の広い人だという印象を持ちます。
という手法を、私も全国からの質問者への対応で使っています。
しかし、大学の講義では使いません。というこは質問者との対応は基本的に1対1の会話です。しかし、数十人以上の授業ではそれをつかうと学習者があまり自分の頭で考えなくなるからです。ということで『学び合い』白熱教室をやっています。
パターンは以下の通りです。現状の確認です。
「今日のお題は●●です。・・・・ここで●●が学校現場で重大な問題であるかを短く説明します・・・・。さて、●●に対してどのように対応すべきかを話し合って下さい。時間は●●分(だいたい15分から30分)です。」
これによって現状の対応策のおおよそが共有されます。時間になったら以下を言います。
「色々な対応策がありますね。でも、ちょっと視点を変えましょう。・・・・・既存の対応策は「その子」「その事」に拘った対応です。しかし、それでは解決できないことを説明して、集団に目を向ける必要があることを短く説明します。・・・・・。では、どうしたらいいでしょか?時間は●●分(大抵は20分から40分)です。」
これによって現状とは違った対応策が出てきます。しかし、大抵は既存の延長上で考えようとするので無理が生じてしまいます。時間が来たら以下を言います。
「さて、色々な対応策があるでしょう。では、『学び合い』ではどう考えるか。・・・・・『学び合い』での実践例を紹介しながら、集団で見ること、一人も見捨てないことの意味を語ります。・・・・・このような視点も持っていただければ有り難い」で話をまとめます。
おそらく、ありとあらゆる問題が、『学び合い』の見方で分析することが出来ます。だから、授業の種は尽きません。1時間半の講義中の私の発言時間はせいぜい15分程度です。2時間になっても、3時間になっても学生さんの話す時間が長くなるだけで、私の発言時間は変わりません。
結果として大学教師が白熱するのではなく、学生さんが白熱する教室が実現できます。
追伸 こっちの方が圧倒的に教師は気が楽で、楽しいのに。