■ [大事なこと]風を吹かせる
私が認知心理学に基づく理科教育研究をしていた時期です。当時の院生さん達と二つの学会に参加しました。当時の理科教育学は古典的な文献研究と教材開発が主であり、心理学的な基礎を持った定量的な研究は希でした。
ところが二つの学会では心理学的な基礎を持った定量的な研究が大きなウエートを占めていました。明らかに風が変わったことがハッキリしています。古典的な文献研究と教材開発が主であった学会で、心理学的な基礎を持った定量的な研究をしていた私が主流になったことにびっくりして、当時の院生さんが「西川先生はこのようになることを知っていたのですか?」と聞かれました。
私は「学会の潮流を予測なんかできない。学会の潮流を変えたんだよ。」と応えました。当時活きの良かった若手研究者が中心になってグループを作り、一大キャンペーンを張ったのです。その人数は少なくとも、人の数倍、十数倍の情報発信をすれば、あっという間に主流になります。