■ [大事なこと]未開拓
教科教育学研究で最も未開拓なのは目的論です。そりゃ、今でもありますが、いずれも学校教育の目的とつなげることが出来ません。素人的につなげることは出来ますが、厳密につなげることが出来ません。
例えば、私の元の古巣である理科教育では「科学概念の形成」が目的としてあげられます。しかし、それが学校教育法の「人格の完成」とどのように関わるかという部分はきわめて素人的に「ま、関係あるだろ、当たり前だろ」レベルの議論しかありません。そして、それを埋めようとする人は、科学史や科学論で埋めようとしています。つまり、理科教育の世界の中でぐるぐるしているので学校教育の目的とつなげることは出来ません。
今から15年ぐらい前、認知心理学の研究が一段落したとき、「今後は目的論だな~」と漠然と思っていました。しかし、その頃の私にとっては、その頂は雲の上で見ることが出来ず、私の生きているうちに発見できるとは思えませんでした。しかし、それを私が見いだせたことに我ながらびっくりしています。