■ [ゼミ]旅立ち
私は東京生まれですが、当時は畑もちらほらあるような地域で育ちました。中学生のことです。一人で都心に行ったとき、私と同年代の私立中学校の子どもの大群に出くわしました。「この子達は、区立中学校にいくのではなく私立中学校にいくんだ。きっと色々なことを考え、決意して家から遠い学校に通学しているんだろうな」と思い始め、一人一人の顔を見るごとにその子の人生を思いました。それが苦しくなったことがあります。
電車に乗って外を見ていると、たまたま立っている人がいます。それを見ると、この人はどんな人生を送ったのだろうと思い始めます。それが、どんどん車窓に現れるのですから、苦しくなってしまいます。
この年なってきて、さすがに上記のような「うぶ」ではありませんが。多くの人の人生を考えると苦しくなることは変わりません。今でも卒業式、修了式は圧倒されます。一人一人の顔には、これからの人生の展開に対する期待と不安がハッキリと表れています。それが数百人もいるのです。だから、私はできる限り卒業式には出ないようにしています。
人数は少なくとも教え子となれば思いは強くなります。下手すると泣いちゃうかも。
ということで、旅立ちに対して「そっけない」のは上記の理由なんです。本当は手元から離したくない
昨日は、本学の卒業式・修了式でした。あと1週間ぐらいで全員が旅立つでしょう。そして、入れ替わりに、不安と期待でいっぱいの新入生を受け入れます。