■ [大事なこと]無能
1973年(私が14才)に国盗り物語という大河ドラマがあります。その中で、今でも印象的だったのは、斎藤道三が旧主を国外に送り出す際に言った言葉、それは、無能な君主はそれだけで罪である、つまり、無能な君主は悪人だと旧主に言う場面です。原作にはその場面はありませんが、原作のその他の部分に書かれています。
一般人は、善人であるかどうか、もっと正確に言えば、悪人でなければ評価されます。しかし、管理者はかなりの善人であっても無能であれば悪人なのです。無能であるのにも関わらず、身を引かないのは悪行なのです。でも、無能の人はそれが分からない。管理者は管下の人の人生を預かっているのです。無能ならば、自分のことだけ責任を持って無能な善人であればいい。
騏驎も老いては駑馬に劣る、と申します。私も十年後、無能な善人であることを恐れます。せめて自分は管理者としては無能であると自覚できるレベルにいればいい。