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2013-04-16

[]要領 05:52 要領 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 要領 - 西川純のメモ 要領 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 昨日、他ゼミのある学生さんから自分が要領が悪いことを相談された。それに対して、私がその学生さんそっくりであったこと、でも、それがメリットであることを話した。

 私は1対多に話すことが壊滅的に下手です。私が出来るのは気のあった一人と話すことです。理由は我が儘で相手に合わすことが面倒だから。ところが世の中には私と違って、どんな人とも、何人とでもコミュニケーションがとれる人がいます

 教師になれば、我が儘でいられません。何とかしなければなりません。そこで技術を磨きました。必死自分でも出来る、即効性の高い技術を探し実行しました。

 天性の話者は大当たりすることが多いですが、外れることもありますしかし、技術で話せば大外れすることはありません。常に一定以上のパフォーマンスが維持できます。でも、天性の人は技術で補完することを怠ります。なぜなら、そんなことをしなくてもそこそこいくからです。

 しかし、ものすごく人とコミュニケーションを取るのが下手な人、つまり我が儘な人は技術で乗り越えることさえも億劫になってきます技術で乗り越える自分が嫌になる。やがて、表情や声を出し方より、話す内容が大事だと言うことが分かります。ただし凡人が毎回、人をうならすような内容を編み出せるわけはありません。でも、凡人でも当たり前の大事なことは分かります。それを凡人でも分かる論理で考え続け、本を読み、人と議論することは出来ます。そうすれば凡人でも、あ~そうか、と言ってもらえることを編み出せる。

 昔から名人になる人は不器用である、と言われます。要領のいい人、天性の話術のある人は、それを使えばいい。しかし、そうでない人は、そうでないことを活かせばいい。

 そんなことを「なぜか仕事がうまくいく教師の7つのルール」に書きました。あの本では、名人技術ではなく、教師には壊滅的に向いていない私の二十年以上の履歴を追体験して欲しかったのです。