■ [大事なこと]漢
私は誰から依頼されたなら、その依頼者が10を想定したら100を、明後日完了を想定したら今日完了をします。なぜなら、そうしない限り、意味が無いからです。相手の想定内の結果を出せないならば、結果を出してもプラマイ0です。相手の想定以上の結果を出すからプラスの意味が出る。
相手がどんな要求を出しても、「なにくそ」と思ってそれ以上の結果を出します。それ成り立たせるために、毎日、常に、あらゆることをやり続けなければなりません。でも、相手の想定を乗り越えたとき、快感があります。
本日、我がゼミ生が私の想定を超えたことをしました。先延ばしすれば大丈夫なのに、直ぐに対応しました。漢(おとこ)と思いました。
この意外性があるから、教師は楽しい。
■ [大事なこと]従来指導型『学び合い』
昨日、若いゼミ生から何故、従来指導型『学び合い』の手引きをネットブックから削除したのかを聞かれました。理由は危険性が高いのです。
従来指導型『学び合い』は一見、『学び合い』より安全で確実に見えます。たしかに力量のある教師の従来指導型『学び合い』と一般の先生の『学び合い』を比べたとき、時には前者が勝ることはあえます。
『学び合い』は倍々ゲームなのです。一人の子どもが別な子どもに教えて、その二人が別な二人の子どもに教えて、その四人が別な四人の子どもに教えて、単純化すると『学び合い』はそういう仕組みです。従って、時間と分かる人の数をグラフにすれば二次曲線になります。つまり、時間を多くすればどんどん効果は高まるが、逆に言えば時間を減らせば極端に効果は下がるのです。
しかし、それを補える教師、つまり、初期段階で多くの子どもが分かるような説明を出来るような教師だった場合、ポイント、ポイントで教師の説明があったとき、『学び合い』より効果がある場合もあります。でも、それはほとんどの先生には無理なことです。なぜならば、人間が分かるためには膨大な会話が一番です。その会話を以上の説明を出来るのは非常に難しいことです。そして、それを年間を通して成り立たせるのは不可能です。
もう一つの問題は、『学び合い』が何を目指しているかです。単に教科内容を分からせる、というレベルだったら従来指導型が勝る場合もあるでしょう。また小規模校で一クラス5人程度だったら、経験を積んだ教師であれば『学び合い』より分からせることが出来ます。なぜなら、その程度であれば、膨大な会話が出来るからです。
しかし、『学び合い』は教科内容を分からせることが最終ゴールではありません。子どもの一生涯の幸せ、つまり、あなたの管理下を離れたときに幸せになることを保証することなのです。いうまでもなく、あなたの管理下を離れたとき、あなたの管理下で成り立ったことが必ずしも成り立たなくなります。なによりも学校を出て、社会に出れば教師はいません。そこで教え子が幸せになるためには、教師の管理下で、教書の管理を出来るだけ制限した環境の中で生き残ることを経験し、学ばなければならないのです。
それ故、私は1分1秒でも長く子どもに任せることを多くの先生方に勧めています。と分かっている私が従来指導型『学び合い』の手引きをネットブックとしてアップしたのは何故かと言えば、それ以外の選択肢が無かったからです。
日本中の圧倒的大多数の先生方は、常識的に判断します。つまり、周りのやっていることを、とりあえず正しいという前提で考えます。従って、『学び合い』にいきなりどっぷりと浸かれないのが当然です。そして、それが健全だと言うことを分かっています。仮に、その人がいきなりどっぷりと浸かれる人であってとしても、周りの人がそれを認めないという事があり得ます。そのような人の悩みに答えるために、あえて危険であることを承知の上で従来指導型『学び合い』の手引きをアップしました。
しかし、それ以降、様々な学校レベルの『学び合い』の手ほどきをしました。その結果、いきなり全部の時間を『学び合い』としなくても、週1であっても授業時間の八割以上を子どもに任せる『学び合い』をすれば、人間関係の向上は確実に出来ることが分かりました。そして、その中で『学び合い』が本物であることを教師が実感し、『学び合い』の時間数を増やす気になったり、別な教科でもトライすることが出来ることが分かりました。さらに合同『学び合い』だとさらに安定して『学び合い』を実践出来ることが分かりました。そのノウハウを『学び合い』ステップアップと『学び合い』ジャンプアップにまとめ、世に出した後は、危険な従来指導型『学び合い』の手引きは削除したいのです。
追伸 私は小学校、中学校、高等学校の教師としてはアマチュアです。しかし、学生、現職教員の教師としてはプロです。不遜ながら申します。『学び合い』に関して、教師や学校の手ほどきした経験では、圧倒的に多くの事例を知っています。その上での結論です。
■ [大事なこと]素直に
『学び合い』を本当に分かるには、『学び合い』の考え方を理解しなければなりません。しかし、「剣の道は心だ」と言われるのと同じように入門者には意味不明なことです。だから、最初は言われたとおりのことをやるしかありません。最初から我流は駄目です。
だから、『学び合い』にトライする人にお願いです。少なくとも1年間は、『学び合い』ステップアップと『学び合い』ジャンプアップに「書いてある通り」にやって下さい。あの本に書いてあることは、1行、一文字もゆるがせにせずやって下さい。それだったら、確実に安全に出来ることを私は保証します。私の所には毎日多数の方から相談メールが来ます。その半数は、上記2冊に書いてあることをやっていないことに由来するのです。そして、1年以降も悩むことの大多数は、上記の本に書いてあります。
もちろん、書いてあることを質問するなということを申しているのではありません。その本を読んで、読み取れなかったとしたら、それは読み手の責任では無く書き手の責任だと私は思っています。そういうときは、私の所に質問して頂ければ、書いた文章の意味をご説明いたします。でも、出来れば、分からなくても、上記2冊に書いてあるとおりのことを実践することを強く勧めます。そうすれば、たった1行の言葉の中にどれほどの意味が込められているかが分かります。