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2013-06-28

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 『学び合い』は「一人も見捨てたくない」という思いが大事です。それが弱いと、「な~んちゃって」『学び合い』になる危険性が高い。二三人をとりあえず考えない、と思えば、限られた力量のある教師だったらかなりの授業は出来ますから。そして二三割の子どもを考えない、と思えば、大多数の教師でも授業が出来ますから。

 一方、「一人も見捨てたくない」という願いが強ければ、置かれた状況で撃砕すること無く、したたかになれる。

 特別支援を大事にしている先生は、その思いが強い方が多い。でも、特別支援の先生方に『学び合い』がすぐに広がらない、何故だろう、と考えてみました。

 おそらく「(その子)×数人」を一人も見捨てたくないと願っているのだと思います。その子の「今」、「もしくは数年先」を考えて、一人も見捨てたくないと願っているのだと思います。これは多くの「親」の願いと同じだと思います。

 『学び合い』は数十人(中高の先生だったら数百人)子どもを「一人も見捨てたくない」とは似て非なるものです。その人数だと親モデルの教師像は成り立たなくなる。そのレベルの子どもを対象とするには、個にとらわれず集団に心を砕かなければならない。

 では、現実に数人の子どもを相手にしている特別支援を大事にしている先生にどのように伝えたらいいだろうか?それは、その子が二十代、三十代、そして今の自分の年齢になったときに、何が必要だろうかを考えてもらうしかありません。その時に必要なのは計算でも、漢字でも、深い読みでも、深い社会認識でもないと思います(そりゃあればいいですけど)。その時に必要なのは、つながれる人のネットワークだと思います。それを「今」育てているか?と問い直してほしい。

 それを実現するには「親」であることを捨てて、上司にならねばならなくなります。辛い決断だと思います。しかし、そのこのためにはそれが必要だと理解してほしいと願います。一度分かってもらえれば、頼りになる同志になっていただける。