■ [大事なこと]前提
『学び合い』のことを説明するとき、なかなか分かってもらえない理由の一つに、前提が全く違うということがあります。
日本中の教育言説の圧倒的大多数は「その日の授業」をどうするかレベルのことを扱っています。だからそこにはその日の教材、ミニネタ、芸人のような話術、テクニック・・・が話題の中心です。
でも、1年を見据えたクラスづくり、教科指導が議論されることもあります。そうなると先に挙げたレベルのものでは対応できません。そのレベルで子ども達はだまされません。結局、教師がどのようなスタンスで教育を考えるかがポイントとなります。私も一回勝負の講演会では「その日の教材、ミニネタ、芸人のような話術、テクニック・・・」を使いますが、中長期の教育で使おうとは思いません。
上記のレベルの言説は、「その日の授業」レベルの言説に比べて圧倒的に少ない。でも、『学び合い』はもっと違ったことを願っています。それは、子ども達の一生の幸せです。それは中高の先生方が、志望校に入れるというレベルの先のことです。社会に出て、家庭を持ち、老いて、死ぬ、そのレベルのことを願っています。そのレベルのことを実現するための1年の授業の組み立て、その日の授業の組み立てを考えます。だからかみ合わないのです。そして「極論だ」と言われます。でも、我々は本当に全員の子どもが幸せになって欲しいと願っているのです。そして、その願いが実は自分の幸せにつながることを信じています。