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2013-10-25

[]業務連絡 21:40 業務連絡 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 業務連絡 - 西川純のメモ 業務連絡 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 7月の我々の誠意は、ちゃんと実を結んでいます。双葉から本葉になっています。少なからざる子どもの人生に影響を与えています。胸を張りましょう。

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 かなり以前に、アブラナの花を観察するとき、スケッチとメモのどちらが記憶定着が良いかを調べました。その結果、メモの方が記憶定着が良いのです。理由は、記憶定着には言語化が大事なのです。スケッチは絵を描いたことで満足してしまい、言語化しません。ところがメモは必ず言語化しなければならないので、記憶定着が良いのです。さて、面白いのは次の年にやった研究です。それはメモ単独とメモとスケッチを併用した場合のどちらが記憶定着が良いかという調査をしたのです。常識的に言えば、併用した方が良いように思われます。しかし、メモ単独の方が良いのです。意外でしょ?理由は、メモとスケッチを併用すると、子どもはスケッチをしてしまいメモがおろそかになってしまいます。ところが、そのメモが記憶定着のポイントだからです。合わせ技が良いという常識が覆ったのです。面白いでしょ!

 一昨日、ゼミ生と個人ゼミをしました。内容は小学校英語でのipad利用に関してです。彼に結果は、ipadをあまり台数を与えると駄目だという結果なのです。機器を使った方の子どもの方が、それをあまり使えなかった子より課題達成が悪かったのです。意外でしょ?でも、理由は簡単です。人間にとって最大・最高のツールは他人なのです。機器はそれを阻害してしまうのです。彼の次の研究では、わざと台数を抑え、そしてみんなで共有することを求めたときの課題達成を見ます。

 たしかに人というツールを使えない状況では情報機器は有効です。しかし、人というツールを活用できる『学び合い』状態では、情報機器は阻害要因になります。このあたりは教育工学でもっとも抜け落ちている部分だと思うのです。私が大学院の頃から、そのころの最新機器がもてはやされ、そして衰退するのを何度も見ています。そして研究者は、常に最新機器の活用を研究し、陳腐になる前にそれを捨て、次の最新機器に乗り換えます。それを何度も見ていました。

 本日、関西への移動の電車で、通学の高校生をたくさん見ました。彼らは最初は話しています。ところがしばらくすらくすると、携帯をいじくり始め、互いの会話は途絶えます。その異様さをずっと見ていました。最大のツールは人です。機器はその補完でしか無い。という私にとってはごく当たり前のことが、教育工学の世界で広がるのはいつのことなのか、と思いました。