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2013-11-11

[]保原小学校 17:50 保原小学校 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 保原小学校 - 西川純のメモ 保原小学校 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 バリバリの学校 『学び合い』を見たい方へ。12月11日に福島県伊達市の保原小学校で公開があります。以下をお読みください。「ワッショイ、ワッショイ」という子どもや職員たちの声が聞こえそうです。http://p.tl/AS1o

[]授業能力向上のポイント 06:46 授業能力向上のポイント - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 授業能力向上のポイント - 西川純のメモ 授業能力向上のポイント - 西川純のメモ のブックマークコメント

 壊滅的に対人関係能力の無かった私が、短期間に授業能力を向上できたポイントは二つあると思います。

 第一に、そうしないと生きていけなかった状況だった。漫才師の修業の場として最高なのはストリップ小屋だと言われます。客の怒号の中で生き延びなければなりません。牧歌的な教室、手を抜いても聞いてくれる(聞いたふりをしてくれる)子どもたちの前では修行になりません。

 第二に、その中でも潰れないでいたのは、良き職場・先輩に恵まれたからだと思います。

 若い人の多くは、そうしなくても生きていける状況の中で勤めています。でも、手を抜いても聞いてくれる(聞いたふりをしてくれる)子どもの前に立っても、その中で地獄の苦しみを味わっている子どもがいることを忘れないで欲しい。そうでなければ、そうしないと生きていけない状況になったときに潰れてしまう。

 若い人の多くは、私が享受した良き職場・先輩に恵まれていません。それは若い人の問題でも無く、その職場の先輩の問題でもありません。無計画な採用によって生じた年齢バランスの崩壊に由来するものです。その中で生き残れる、協働力が必要です。

 私は、この二つをゼミ生に与えたいと願っています。

[]うまい授業 06:09 うまい授業 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - うまい授業 - 西川純のメモ うまい授業 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 不遜ながら申します。私は授業がうまい。だって、暴走族やオール1の子どもたち相手に物理の授業を成立させたのですから。

 私の講演を聞いた人ならば、私のしゃべり方、表情、仕草、話題を知っているはずです。しかし、私の授業の本領は、講演会では使えない部分にあります。それは子どもたち一人一人の特性を理解し、それを適切にいじることによって、殆ど自分が喋らなくても授業が進行させるテクニックです。つまり、タモリ、明石家さんま、所ジョージがバラエティ番組で使っているテクニックです。

 タモリ、明石家さんま、所ジョージを嫌う人もいるでしょう。私の授業を嫌う人もいます。何よりも、私が私の授業の嫌なところをよく知っていますから。でも、タモリ、明石家さんま、所ジョージはもちろんのこと、私も一定以上の評価を得続けています。教師になる前は無口で人付き合いが病的にひどかった私にとっては上出来だと思っています。

 さて、これを習得するにはものすごい努力と時間が必要なのでしょうか?いいえ不必要です。だって、私だって半年で、最底辺校で物理の授業を成立させることが出来なのですから。詳しくは「何故か仕事の出来る教師の7つのルール」に書きました。あの本の最初の3分の1を実行すればそれが出来ます。

自分自身の中に数限りない教材や指導法をため込むという努力の物量作戦には限界がありません。授業を成立させる普遍的なものは何かを探れば良いのです。ようは集団を前にしての自分の見せ方と、集団を動かすツボどころは何かということだと思います。(でも本当は、それを求める心のありようなのですが)

 私は教員養成系大学に勤めていますが、ロスが多いな~っと思います。

[]好かれる先生 05:48 好かれる先生 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 好かれる先生 - 西川純のメモ 好かれる先生 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 好かれる先生とはどんな先生でしょうか?1999年までは、「授業のうまい先生」、「面白い先生」、「明るい先生」、「親身になってくれる先生」・・・・と思っていました。それらは学園ドラマと自分の体験に基づくものです。それらを疑っていませんでした。

 ところが2000年に「あなたの好きだった先生を思い出してください」と求め、その先生の特徴を調べてみました。つまり、好かれる先生という言葉ではなく、実際に好かれる先生の特徴を調べたのです。その結果、必ずしも授業はうまくなく、必ずしも面白くはなく、必ずしも明るい先生ではないのです。この事実は私にとって衝撃的でした。既に『学び合い』の研究をしていた私でしたが、当時は『学び合い』を授業テクニックレベルにしか理解していなかったので、上記の事実を理解できませんでした。

 しかし、数年の後に上記を理解できるようになりました。そして、校長に関する研究を開始しました。その結果、好かれる教師も、好かれる校長も『学び合い』のセオリーに一致し、それは経営学の結果にも一致することが分かりました。

 現職者だったら、自分の仕えたことのある校長を思い出してください。その校長を判断する基準は、「授業のうまい先生」、「面白い先生」、「明るい先生」、「親身になってくれる先生」ではなかったと思います。もちろん、教師も校長も、それらで3ヶ月ぐらいは引きつけられると思います。しかし、賢い子どもや教師は、1週間でそれを見切ります。そして、大多数の子どもや教師も3ヶ月以内にそれを見切ります。

 そのあとでも大事になるものを精神論ではなく、具体的な事実によって語れる教育的言説は驚くほど少ないと思います。