■ [大事なこと]ツール
「シャープペンシルによる教育改革」という文字がネット上で流されたら、どう思います。笑っちゃいますよね。鉛筆に比べてシャーペンは色々な良いところがあります。でも、教育を変えるほどのことはありませんよね。
この世界に三十年弱生きています。色々なものがもてはやされ、廃れているものを何度も見ています。その時々に経済の論理で特定のツールがもてはやされ、そのツールが陳腐になるに従って廃れてしまいます。
電子黒板で何か出来ると本気で思っている人、どれだけいます?それは数年後のipadと同じです。ツールは賞味期限は非常に短い。直ぐ先に、もっと便利なツールが生まれるのは必然です。
重要なのはツールではなく、そのツールを必要とするものなのです。子どもたちの成長のために何が必要なのか?それを実現するには現状で何が必要何か?なのです。
私が大学院生の時にやっていたことを未だにやっていることに食傷気味です。
教育はツールではなく、どのような子どもを育てたいかという願いによって変わる。日本の教育は過去、2回しか変わっていない。第一は、明治当初の公教育です。つまり、特定の職業になるための教育から、日本人を育てる教育に変わったのです。第二は、戦後教育です。臣民の教育から市民の教育への変革です。私は戦後60年たって次にシフトする時期にあると思います。それは市民の教育を完成するために、個人の教育から、個人が集団を利用するための教育です。それはかつての一部個人が大多数の個人を利用するための教育とは違います。全員の個人が、全員の集団を利用するための教育です。