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2013-12-21

[]幸せ 21:32 幸せ - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 幸せ - 西川純のメモ 幸せ - 西川純のメモ のブックマークコメント

 昔読んだ小説を買って、せっせとpdfにしています。でも、我慢できずに読み始めると、とても幸せな気持ちになります。今は小説を読む時間なんてありません。かつては自分のことをすれば良かった。今は、そうではありません。家族のため、ゼミ生のため、日本全国の同志のため、自分の出来ることをコツコツやっています。そうすると殆ど本を読むエネルギーはなくなります。

 上越教育大学の定年が65歳です。でも、それ以降の大学にそのうち異動して、のんびりと働きたいと思うことはあります。でも、早く退職して昔読んだ小説をゆっくりと読み直したいという気になります。でも、そんな状態は幸せではないことも、『学び合い』のセオリーから分かります。人は、他人から必要とされることによって幸せになります。

 昔読んだ小説の読み始めると、自分のためだけに時間を割ける時代を思い出します。小中高の子どもたちに、大人の幸せは何かをつたえるために何をすべきか。ま、分かっているんですよね。でも、私は『学び合い』を経験せずに大人になってしまった。今も、部下として経験することはないのです。

[]集団をリードする子 21:07 集団をリードする子 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 集団をリードする子 - 西川純のメモ 集団をリードする子 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私の本でクラスや学校の『学び合い』が崩れる前兆として書いていることです。

 集団にはリードするメンバーがいます。『学び合い』の初期には狭いサポートをします。しかし、『学び合い』の意味が分かると、全体を俯瞰する行動をします。ところが、『学び合い』がそこそこ広がり、自分的に満足すると全体を俯瞰する行動をやめます。もちろん、何もしないわけではありません。自分の座っている近くの子のサポートはします。

 それが損であると言うことは、自分に被害があるまで分かりません。そして、最悪の場合は、その被害があるのは、みんなに問題があり、近くの子をサポートしている自分にはないと思い込むことです。

 私が伝えたいのは、それは損であると言うことです。

追伸 『学び合い』のセオリーは普遍的です。ようは、子どもに求めていることを自分に課すか、です。

[]不健全 19:25 不健全 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 不健全 - 西川純のメモ 不健全 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私がより多くの人、特に、ゼミ生に伝えたいことは、自分の利益を最大限にするためには、より高次の集団の利益と一致するように自分の利益を構築することなのです(http://p.tl/HyY8)。実は、『学び合い』において子どもたちに求めていることを、自分にも置き換えたことなのです。が、これがなかなか難しい。よほどの意思の力が無いと、直ぐに狭い利害でしか考えられなくなってしまう。

 日本の教育の現状で、それを感じます。日本の圧倒的大多数の人は自分の授業向上を求めています。それが証拠に、本屋に並ぶ教師用図書の99%はその人の授業向上のための本です。学ぶために身銭を切って学ぼうとする先生方でさえそうなのです。

 管理職でない教諭の方々の中で、自分の学校外の市レベルの教育のことを考えられる人がどれほどいるでしょう。さらに県レベルのことを考えられる人がどれほどいるでしょう。もちろん、そんな人はそれほど多くはない。でも、現状が少なすぎます。2割と願いたいですが、1割でもいい、そんな人がいて欲しい。

 今の三十代の人、いや、二十代の人は、これから十年弱の大量退職の後に、急に市や県レベルのことを考え、行動する立場になる可能性が高い。

[]美しいもの 19:07 美しいもの - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 美しいもの - 西川純のメモ 美しいもの - 西川純のメモ のブックマークコメント

 研究者の頭は二十代後半あたりがピークのような気がします。そして三十代後半になると急激に衰えます。つまり、五十代の私は「バカ」(というより愚か)です。だから三十代後半から自分の頭で勝負ではなく、若い人と一緒にやる研究にシフトしています。

 では愚か者になった私の武器は何か、それは、その研究が美しいか、美しくないかを判断する嗅覚です。そして、そのような研究はどの方向にあるかという嗅覚です。その嗅覚を持つ人は年齢によって衰えない、経験によってその能力は高まります。

 私は生涯に量的研究、認知研究、『学び合い』という3つの大ビンゴを引き当てることが出来ました。だからこそ普通の研究者の十倍の研究業績を上げ、数々の学会賞を頂くことが出来ました。この嗅覚には自信があります。

 昨日、ある院生の研究の相談を受けているとき、その嗅覚が働きました。そして、感激でウルウルしてしまいました。なぜ、その研究の方向性に大鉱脈があるのかが分かりません。でも、感じるのです。ただ、それが教育実践上の大鉱脈なのか、学術研究上の大鉱脈なのかが判然としません。ま、そのうち分かります。

 一言で言えば、集団をリードする子どもを発掘し、極限まで成長させるには何が必要なのかが分かるような気がするのです。