■ [大事なこと]欠席した教師
入学式を欠席した教師に対する意見が分かれているようですね。法的なレベルで言えば、正当に手続きをして、管理職が許可したのであれば法的に問題ありません。また、管理職が総合的判断することが認められているのですから法的に問題ありません。
問題は道義的なものです。これは様々な人それぞれの反応が生まれるのは当然でしょうね。でも、ある判断をしたのであれば、それに対する様々な人のリアクションを受けることは甘受するしかありません。そして、説明しなければならないでしょう。
休んだ教師はこれから苦労することが多いかもしれません。でも、我が子の姿を目に焼き付けるメリットと比べてそれを優先させたのだから、当然、受ける苦労は理解していると思います。
でも、我が子の入学式に出席するために欠席したとき、他の職員が「いってらっしゃ。我が子の大事な日だからね。楽しんできてね。我々がちゃんとやってやるから安心してね」と言ってくれる職場が望ましいと思います。そんな職場であれば安心して勤められるし、そのような職場を持つ学校の方が良い教育を実現出来ます。それを理解して、保護者も「へ~、入学式なの、それじゃあしょうが無いわね。私だって今日は休暇取ったし」と言ってくれる学校が良い教育が出来る様に思います。
良いか悪いか、それは時代によって変わります。昔だったら、我が子のために入学式を休むなんて考えられなかった。でも、この件に関して、これだけ意見分布が分かれ、ネット上で長引いていることは、時代の価値観が変わってきているように思います。
「親や子どもが事故に遭い危篤状態だったとき」、「葬式の時」、「結婚式の時(諸般の事情で、その日以外が不可能だったとき)」、「我が子が誕生するとき」・・・、それぞれの時に許されるか否かは人によって、時代によって変わるでしょうね。
苦労した人は二通りに別れます。第一は、私も苦労したんだから、あなたも苦労するのは当然と考える人。もう一つは、私が苦労したから、後進には自分の苦労を味合わせたくないと考え、知恵を絞る人。私は後者になりたい。実は、それが年を重ね、老いていく我が身を守る処世訓だと思っています。