■ [大事なこと]幸せ
今から十年前ぐらい、『学び合い』が研究の世界から実践の世界に広がり始めたときです。私が『学び合い』の手ほどきをした当時四十代の人がいました。力のある方です。でも、『学び合い』を伝えれば、既存の常識を疑うことにあります。結果として、本来では教頭、校長へ進むべきことに障害になってしまうのでは無いか、と思い悩ました。
『学び合い』を広げることにはプラスになっても、その人のプラスになるか、悩みます。
が、今は悩みません。それ以降、様々な「偉い」人にあいました。そして、いわゆる出世コースが幸せに繋がらないことを知りました。日本の場合は、経済的にも大して違いはありません。ひとたび退職すれば、素の個人です。そのときのその人の幸せは、まずは家族の時間の関係です。そして、自分が何をなしたか、その確信です。『学び合い』の同志は、おがなしたものが子どもたちの人生に何をなしたかを、確信を持てます。だから、『学び合い』を伝えることに迷いはありません。
でも、したたかで、志を維持できる人「も」ほしい。
毎日のやるべきことに関して、周りと軋轢を生じないよう(つまり、『学び合い』のストレート勝負は避けて)実践を積み上げ、でも、一人も見捨ててはいけないというメッセージを伝えてほしい。そして、自分の忍従の日々を若い人に味合わせなくてもいいポジションについてほしい。
子どもの幸せ、自分の幸せ、まじめに考えてほしい。それが中・長期としてなりたつためには、したたかであらねばなりません。