■ [お誘い]見取り本
新刊『子どもたちのことが奥の奥までわかる見取り入門<会話形式でわかる『学び合い』テクニック>』の宣伝をアップしました。http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/interview/?id=20150024
■ [大事なこと]時限爆弾
昨日、私のゼミ生に語ったことを簡単に書きます。多くの人への警告として。
私が語ったことは、一斉指導は横並びのことをするので良いならば、バカみたいに簡単だと言うことです。というかそれ以上のことを狙うとしたら、神やエスパーで無ければならないからです。
だって、世の中には単元別の教材本がありますが、それを担当すべき学年の全ての教科で理解し深められることって出来ますか?不可能です。せいぜいそれをコピーして配る利用形態しか出来ません。教育実習でやった教材準備を毎日出来ますか、不可能です。結局、指導書を5分間斜め読みして、決まり切ったパターンの授業の流し方しか出来ません。
それ以外のものも数年で獲得できます(そのあたりは新刊の「新任1年目を生き抜く 教師のサバイバル術、教えます」に書きました。)。これは採用3年間ぐらいで獲得できます。だから、みんな勤めているのです。
この3年目が分かれ目です。それから、それでいいと思う教師と、自己改善に努める教師に別れるのです。毎日の授業のレベルだったら、そんなに差は出ません。だって自己改善をしたとしても、高レベルの一斉指導は神のごとき人しか出来ないことですから、自己改善をしつつけても結果には直接関わりません。ただ、自己改善をしている教師は、子どもや親の悪口を言いません。それが大きな違いです。
若い頃は、若いと言うだけで補えます。三十代も何とか出来るでしょう。ところが、四十代になるとひずみが出てしまう。若いと言うことで補えた部分が補えなくなったのを、全て子どもが悪くなったと合理化する。それを子どもにぶつけていく。ところが、子どもや保護者は従順では無い。特に、今後は成績上位者の子ども、そしてその保護者が礼儀正しく攻撃します。
以上の現状と未来を語りました。そして続けて以下のように語りました。
「君らは『学び合い』の知識的には最高レベルにまでいっているはずだ。だって、数多くの本を読み、私と徹底的に議論した。『学び合い』の実践を見て、実践者と話し合った。でも、今の君らは私の管理者のもとだから、『学び合い』的に物事を理解できる。ところが一度、現場に行けば私の管理下から外れる。そうなれば、『学び合い』的に考えられるか否かは分からない。さっきいったように、横並びでOKレベルで良いならば『学び合い』的に考えなくても大丈夫だから。しかし、そんな卒業生は時限爆弾を抱えているようなものだ。私には分かる。そうしなくても良いとき、その先を考え、行動し続けられる資質は私は教えられない。本人の資質の問題だと思う。でもね、そんなことし続けられる人自体はまれだよ。考えてみて、君らはこの一年間の中で、自分を高めるために何冊の本を読んだ?また、何回の会に参加し人と話し合った?それが現実だ。日常の生活の中で、それだけになっている。それを責めるつもりは無いが、その先にあるのは厳しい未来だ。ではどうするか、志のある人と繋がりなさい。人と繋がることが自分の志を維持する最高の道だよ。」
以上のような話を、30分以上1時間弱、じっくりと語りました。
ま、この話をどれだけ心にとどめおけるかは、本人の資質ですから、私にはどうしようもありません。