■ [大事なこと]考え方
『学び合い』は考え方です。様々な方法は、その影に過ぎません。しかし、考え方を語っても、その深みは分からない。だから、私は影である方法を本では中心に語ります。影である方法から入ることは当然です。私だって『学び合い』の考え方がどれほど深いかを知るのは十数年かかかりましたあら。
『学び合い』の考え方が腑に落ちているか、いないかは『学び合い』が上手くいっているときは分かりません。しかし、上手くいかなくなったときにそれが分かるのです。『学び合い』を方法ととらえている段階(本人が考え方のレベルだと思っていたとしても)は、方法の改良(実は改悪)によって問題を乗り越えようと思います(テクニックの罠)。しかし、『学び合い』を考え方で理解している人は、学校観と子ども観で問題を分析します。そして他人は変えられないのですから、自分の心を問い直します。
では、どうやったら考え方としてとらえられるか?二つあると思います。
第一に、人とのネットワークを持てるか否かなのです。『学び合い』の考えがどれほど深いかを実感するのは、『学び合い』が上手くいかなくなったときなのです。ただし問題の当事者である本人は分からないのは普通です。自分を合理化したいと思うのは当然です。そんなとき、『学び合い』実践者から岡目八目で相談することが有効です。自分は『学び合い』の考え方で解決できなくとも、他の人の悩みは岡目八目でみられるので考え方で分析することが可能なのです。
第二に、「一人も見捨てたくない」という願いです。
横並びでいれば楽です。上手くいかなくても、「子どもが悪い」、「保護者が悪い」、「地域が悪い」、「校長が悪い」と合理化すれば同僚はあなたを責めはしません。そこでも踏ん張って何とかしようと思うエネルギーは、つまらなそうにしている子ども、びくびくしている子どもに対して何とかしたいと思う気持ちなのです。
しかし、それを全ての教師に求めるつもりはありません。私は子どもを見捨てたくないけど、教師も一人も見捨てたくない。だから、そのような気持ちがない人であっても続けられる状況を作りたい。だから、毎日、全国からのお悩みメールに応え、ブログ・FBで情報を発信し、全国に出張し、本を書き続けています。それが私の出来ることなのです。そして、そういう人を増やすことによって、私はどんどんフェイドアウトできる。