■ [大事なこと]私の作戦
年を取れば取るほど能力は下がります。一方、鼻にもかけなかった若手・中堅が教授になります。偉そうにしていた教授が、どんどん惨めになる姿を三十年間の大学人生活で何人も見ています。
一方、周りの無理解、ねたみから教授に昇任するのが遅いのに、教授になったとたんに光り始め、退職の最後の年まで光り続ける人がいます。
両者の違いは、周りの人とのネットワークの違いです。前者の人はネットワークを作れません。従って、仕事は全て自分の中で完結しなければなりません。ところが、自分の能力はどんどん下がっているので、小さく、小さくならねばなりません。
後者の人は周りの人の助力が期待できます。ネットワークのある人は、そのネットワークの力を求めてさらに多くの人が繋がってきます。だから、本人の能力は下がっているのに、その人の動かせる力は大きくなります。
ということを学びました。
ということで私が教職大学院で生き残る戦略は、周りのメンバーの役に立つことです。特に、強面の交渉役が私の役割です。
教職大学院の教授の全てはその人事において私が貢献していることを知っています。大学管理職と硬軟取り混ぜた交渉によって一つ一つの昇任事案を獲得できまし。もちろん、教職大学院のメンバーは優秀ですので教授に昇任するべき能力は十分にあります。私がやったことは、1年でも、いや、数ヶ月でも早く昇任するような機会を捉え、理屈を考えることです。教授になった人は「まあ、数年我慢すれば昇任できるよ」なんて言いますが、准教授の人の気持ちになれば、数ヶ月でも早く昇任したいと思うのが本音です。
私は上記のことを「我が事」としてやります。だって、本当に「我が事」だと思っていますから。私は教職大学院でかってきまま(我が儘)にやらさせていただいています。他の方よりも多くの人が西川ゼミを希望し、他の方の5~十倍以上の予算を獲得しています。しかし、それでも居づらいことはありません。それは他のメンバーが心優しいことはもちろんですが、私の上記の貢献を認めてもらっているからだと思います。
私は今後とも自分の思うとおりにバンバンやりたい。だから、自分の出来る貢献を必死にやります。自分のために。なお、他の教授も准教授を守ろう、もり立てようとする気持ちは同じで、准教授の皆さんはそのことを理解しています。だから教職大学院は最高の軍団になっているのです。ただ、私の場合は汚れ役担当なのです。
ちなみに、私としては私の役割を出来る人を育てるのが次に作戦です。そうすれば強面の交渉役に私がならなくても、その人の耳元に囁けば良いのです。そうすれば優しい温厚な老教授になれます。ふぉふぉふぉ