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2015-02-21

[]妄想 07:47 妄想 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 妄想 - 西川純のメモ 妄想 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 教え子であり同僚であるMさんからは、「西川先生は週刊誌のように本を書く」といわれます。全くそうだと思います。私は早くブレイクするときの準備を整えたいのです。今後『学び合い』にトライする人が増えるでしょう。その人が誤りなく成功するために道具立てを整えたいのです。また、今後『学び合い』に対する様々な批判、疑問をぶつけられるでしょう。その時、同志の人の代わりに矢面に立つために書きました。

 しかし、徐々にフェードアウトしたい。今後のことに関して妄想します。

 私の強みは研究者である点です。物事をじっくり考え、それを理論にまとめるのが仕事です。関連する学術研究と結びつけるのが得意です。今後、『学び合い』を研究する研究者がもっと増えると思いますが、それまでは私が場つなぎしなければならないでしょう。だから今は全般的なことを書いています。

 では、現場におられる同志の強みは何か?それは生の子どもに接していることです。私はある場面の子どもの姿を描くことが出来ます。しかし、総合的、かつ継続的なエピソードは現場教師の方が知っています。それをもとにした小説的な本が出たら良いな、と思います。『学び合い』スタートアップはノウハウ集としては未完成です。しかし、あの本は現場の先生方のエピソードがもの凄く素晴らしい。多くの先生方の心に響くものだったと思います。あのような本が欲しいと思います。私は次のターゲットは保護者であり、社会の人だと思います。その人たちの心を動かす本が欲しいと思っています。

 今、『学び合い』にトライしている方、主導している方はイノベーターやアーリーアダプターです。でもブレイクするにはアーリーマジョリティに広げなければなりません。しかし、両者が求めるものは違います。だから戦略を変えなければならないのです。アーリーマジョリティが求めるものは確実に出来る、簡単にできるなのです。私はそのために『学び合い』ジャンプアップで合同『学び合い』を提案しました。しかし、今後は日々の『学び合い』にシフトして欲しい。そのために必要なのは、ホールプロダクトです。簡単に言えば、その本の見開きをコピーし、それを子どもに配れば『学び合い』が出来るような本であり、プリント集なのです。

 もちろん、そんなのを使っているならば本当の『学び合い』は分かりません。しかし、私が想定している状態とは、学校の中には数人の『学び合い』が分かった人がいることを前提としています。そして週1程度で全校レベルの合同『学び合い』をして、その時に『学び合い』の語りを子どもたちが聞ける状態です。そんな状態だったら、コピーし、子どもたちに配れば出来る本でもそこそこは出来ます。少なくとも、従来型よりはましになります。ところが4月1日から3月31日までの教材を作れといわれたって私には無理です。しかし現場の方だったらそれが出来ます。数年後にはそんな本が必要になります。少なくともアクティブラーニングが本格的に導入される前には用意しなければなりません。

 じゃあ、その頃、私は何を書いているか?東洋館出版社で毎年書いていた頃の本に戻るのです。つまり、学術データに基づき、その時点での最先端の『学び合い』の試みをイノベーターやアーリーマジョリティに提案する本です。ただし、私は直接書きません。西川ゼミの人に書かせるのです。私がやるのは「日本を変えよう。自らの心に響き、多くの教師の心に響く本を書きなさい。はい、どうぞ」です。私のやるべきことは前書きと後書きを書き、出版社との交渉をすることです。

追伸 最後の部分をゼミ生に最近何度も語ります。ゼミ生は戦々恐々としています。私が口に出したとき、本気で考えており、計画が出来つつあることを知っていますから。

[]家庭の医学 07:11 家庭の医学 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 家庭の医学 - 西川純のメモ 家庭の医学 - 西川純のメモ のブックマークコメント

「『学び合い』を成功させる教師の言葉がけ」(東洋館出版社)(http://urx.nu/hBxS)の紹介です。

 言葉がけについては既に『学び合い』ステップアップ(http://urx.nu/hCBY)、言葉がけ入門(http://urx.nu/hCBT)に書きました。では、今回の売りは何か?

 私はありとあらゆる方から質問を受けます。言葉がけについてもです。大抵は、これこれの問題が起こっているのですが、どうしたらいいですか?という形でです。それに対する返事の半数は語りのことを話します。問題を解決するとしたら、子どもたちが解決するしか無く、そのために教師が出来るのは語りですから。

 が、それらの多くは先に挙げた本に書いてあることです。そこで、上記を読んだかを聞くと読んだ人ばかりです。では、何故、書いてあるのに質問するのか?

 理由はその問題の渦中にいるとき、頭がいっぱいで前に読んだことを思い出せないのです。そこで、今回の本では、問題が起こるであろう問題を時系列で整理しました。また、目次を見れば、自分の問題が何ページにあるかが分かるようにしました。つまり、教室においておけば、今起こったことに対する対応が直ぐに見つかるのです。ま「家庭の医学」というような本です。

 その本を『学び合い』の実践者の文章とともに一流の編集者の力によってまとめた本です。既刊書と併せて読むと理解が深まると思います。