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2015-03-20

[]敵・味方 19:33 敵・味方 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 敵・味方 - 西川純のメモ 敵・味方 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日、鼻っ柱の強いゼミ生が上越を巣立ちました。私の部屋に挨拶したとき、「周りとぶつからないようにします」と殊勝にも言いました。その後の私の言葉は以下の通りです。

 『そうしなさい。新任向けの本に書いたとおりに、周りから好かれる人になりなさい。まずはね。でも、おまえがいつまでも静かに出来るわけ無いよ。あははは。でもね、誰からも好かれて敵がいないという人は何もしていない人だよ。何かをしようとするならば、必ずそれに反発する人は生まれる。でもね、不必要に敵を作る必要は無い。そしてね、敵を作らないようにするよりも、優れた味方を得ること得ることを大事にしなさい。結局、敵味方の中でどちら側に有能な人が多いかで事の成否は決まる。君が正しいことを実現しようとするならば、愚かな敵と賢明な味方を得ることになる。それを守っていけば大丈夫。』

 送り出すとき、ダッコして送り出しました。

[]信心 05:41 信心 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 信心 - 西川純のメモ 信心 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 ある同志からメールをいただきました。卒業する子どもにメッセージを書いてもらったところ、一人の子どもから『学び合い』をやめて欲しいと書いてあったそうです。それに相当ショックを受けたとのことです。

 お気持ちは分かります。みんなに分かって欲しいと思うのは教師の性です。でも、そんなのは無理だと見切ったから『学び合い』があるのです。仮に『学び合い』で最高のクラスを創ったとしてもその中には一定の分布の子どもがいます。当然です。全員が「『学び合い』って最高!」と思っていたとしたら、それは不自然だと思います。

 宗教にはそれを信じない人を異教徒と排斥する「人」もいます。一方、全員救われるべき存在だと明確に聖典に示されており、信じていない人も、やがて救われるべき人の一人であるととらえている宗教もあります。しかし、多くの宗教は信じた人が救われる、逆に言えば信じていない人は救われません。

 『学び合い』は集団の2割ぐらいが、『学び合い』を理解していればいいと考えています。そして過半数の6割は、その2割の言っていることが正しいんだろうなと思い、残りの2割は『学び合い』に反対して良いのです。それで、反対している2割も含めて見捨てられないと考えています。

 私の研究室に2年いても、『学び合い』に疑問を持ちつづけて卒業・修了する子はいます。私の管理下から離れれば、研究室でいたときの気持ちが薄れる子もいます。教師としては残念に思いますが、それが自然とも言えます。

 一人も見捨てない社会や教育を実現することが目的です。『学び合い』の授業自体は、そのための手段なのです。大事なのは本当に理解する2割があり、6割がその2割が正しいだろうなと思うようになることです。

 何事も分布があります。我々が目指すべきは、その平均を上げ、分散を下げることです。