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2015-04-11

[]教員養成系大学 17:49 教員養成系大学 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 教員養成系大学 - 西川純のメモ 教員養成系大学 - 西川純のメモ のブックマークコメント

「高大接続改革実行プラン」とその背景となる「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について」は読めば読むほど面白い。「これが実現したら革命が起こるな」とわくわくする一方、「まあ、そんなこと言ったって、それに対応できる人は少ないのだから、まあ、そこそこで終わるだろうな」というあきらめの気持ちもあります。まあ、世の中、自分が希望するほどの上手くいかないですが、自分が恐れるほど悪くならないものです。

最近は、上記が初等中等教育にどのように影響するかを書きましたが、大学も例外ではありません。そして教員養成系大学ももちろんです。それを妄想しました。

どう考えても、アメリカ並みのアドミッションオフィースは平成31年までに出来ません。何故なら生首は切れないからです。そして、教員がアドミッション・オフィサーにはなれません。そうなると、とりあえずは外部からヘッドハンティングしなければなりませんが、そのことが出来る人件費の余裕はありません。

 膨大な答申の文章の中で「キー」となることは新テストの成績提供の部分だと思っています。つまり高等学校基礎学力テストも大学入学希望者学力評価テストも、段階別表示をすると書いているんです。その詳細は「段階別表示の具体的な在り方や、あわせてどのようなデータ(標準化得点や、パーセンタイル値に基づき算出されたデータ等)を大学に提供することが適当かについては、別途、専門家等による検討を行うこととする。」とありますので未確定です。答申では「一点刻み」の評価を何度も否定しています。従って、一点刻みにはならないと思います。もしそうならば、大学入試は変わります。そして、段階がおおざっぱになればなるほど変化は劇的になります。

 何故なら、多くの大学では個別試験に多くのエネルギーを費やすマンパワーはありません。従って、センター入試の点数で第一ソーティングを行い、大学独自の試験で多少補正するという方法しか採れません。ところがセンター入試が廃止され、おおざっぱな段階しか外部しか与えられないならば、大学独自の試験の重みがぐっと増えます。

 大学がセンター入試の点数を重視するのは、大学ランキングがそれによって決まるからです。でも、それが段階となれば、ランキングがおおざっぱになります。さらに、試験に合科型等が入れば何が何だか分からない。従って、一次元での序列で並べることが困難になります。その結果、大学もセンター入試の点数という鎖から放たれます。

 そこで受験生に支持され、社会に支持される試験を考えられる大学と、今までの焼き直しでなんとか時間を稼ごうという大多数の大学で差別化が起こるでしょう。

 ということは「段階数」よって変わります。

 でも、おそらく大学と同程度、いや、もっと危機的なのは都道府県教育委員会だと思います。というのは、同時に二つのことをやらなければならないのです。高校入試をどうするか(これは意識しているところは少なくないと思います。何故なら答申に直接書かれているから)と教員採用試験をどうするかです。後者に危機感を持っている教育委員会がどれほどいるか、と思います。

 従って、困るのは教員養成系大学です。インプットは変わるのに、アウトプットは変わらない。それでいて、最終的な評価はアウトプット。法科大学院はそのためにどんどん潰れています。何故なら、法科大学院の縛りとなっているカリキュラムと、司法試験と必ずしも一致していないからです。それと同じことが教員養成系大学で起こる可能性があります。結局、何とか誤魔化して、知識を1点刻みの能力に長けた学生を取るかもしれません。

 文科省が、そのあたりを気づいて、都道府県教育委員会が新テストに対応する採用試験をするように、もっと正確に言えばせざるを得ない状況にする施策をとるかどうかを興味深く見ています。今のところ、学習指導要領と大学入試の二方面でやっていますが、教育委員会のことはどちらにも触れていません。が、日本の役人は有能ですから、何か考えていると思います。

[]暗記科目 10:14 暗記科目 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 暗記科目 - 西川純のメモ 暗記科目 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 中学3年生の息子が横で数学の問題を解けません。そこで教えました。そして「数学は暗記科目だ」といつも言っていることを語りました。

 私は小中高レベルの数学は暗記科目に過ぎないと思います。結局、問題のパターンを知っているかいないかの勝負です。もちろん、それが数学とは思いません。でも、暗記科目でない数学を学ぶのであれば、理学部で数学を学ぶようにデデキントの切断公理や空間や連続とは何かレベルからじっくりと学ぶべきです。ただし、これがフィットする人は日本人全体のごく一部です。分からない人には絶対に分からない。それは耳を動かす筋肉が退化しておらず、耳を動かせる人がいる一方、絶対に動かせない人がいるようなものです。

 だから国民全員が高校まで数学を学ぶという鎖を切りたい。中途半端な数学を学ぶぐらいだったら、しっかりと国文学や社会学を学ぶべきだと思います。そして数学にフィットするような人は、早めに暗記科目から脱した数学を学ぶ機会を与えたい。

 息子の受験勉強を手伝っていると、むなしくなります。

[]結果 08:54 結果 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 結果 - 西川純のメモ 結果 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私のところには毎日お悩み相談が来ます。ただ、以前より少なくなりました。特に少なくなったのは、初心者の方からのお悩みです。これは『学び合い』関係のマニュアルが多く出版されたためだと思います。

 しかし、依然としてあるお悩み相談は、『学び合い』の入門段階を脱した人からのお悩みです。ずばり、「周りが理解してくれない」というものです。

 原因は二つです。

 本に書いたとおり、我々は人がどんな授業をしているか興味ありません。しかし、二つの時だけ興味を持ち、そして排斥しようとします。

 第一は、自分の実践を否定するようなことを言うような人に対しては、反撃します。

 だから、他の人の実践を否定するようなことは言わないのです。他の人が気に障って攻撃の対象となるのは、とりあえずは私が担います。多くの同志は「いい子ちゃん」になって下さい。わざわざ事を荒立てないで下さい。

 例えば、研究授業とか指導主事訪問とか新任指導教員の前で、わざわざ『学び合い』の実践をしないで下さい。分からない人に見せるといらざる軋轢を生じます。そして、たまたま見られたときは「時にはこのような授業”も”やります。」と言って下さい。そして、その説明の中に「言語活動の充実」とか「コミュニケーション能力の育成」などを絡ませて下さい。嘘はいけませんが、ことさら荒立てることを言わないのはアリです。

 第二は、結果を出さないときです。どうせ求められている結果なんて『学び合い』でやれば結果を出せます。簡単です。子どもたちに結果を出せ、と言えば良いだけのことです。逆に言えば、結果を出していないならば、そうしていないだけのことです。

 意地を張って結果を出さず、そのことをネタに攻撃されて悩むぐらいならば結果を出して下さい。自分ばかりではありません。同志が結果を出せば、他の同志もやりやすくなります。そして逆も真です。

 同志の方々にお願いです。結果を出して下さい。やりかたは以下に書きました。この本に書かれていることだけで結果を出すことが出来ます。

 http://goo.gl/9aFeHw

[]分かれ目 07:12 分かれ目 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 分かれ目 - 西川純のメモ 分かれ目 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 若い教師は苦しみます。そして「子どもが悪い、親が悪い、学校が悪い、制度が悪い」と言いたくなります。しかし、そう考えてみれば、奈落の底に落ちます。教師としての誇りと喜びを失います。

 私も最初の1週間でそう思いました。しかし先輩教師のおかげで脱しました。

 今、職員室の教育力が低下している。それを憂います。だから2冊の本を書きました。

 http://goo.gl/o8Jagu

 http://goo.gl/kIQoMp

 どちらも軽いノウハウ本の顔していますが、教師としての立ち位置のあり方を忍ばせています。

[]実話 06:44 実話 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 実話 - 西川純のメモ 実話 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 ここで描かれていることが子ども同士でも起こります。子どもの持つ知識量は限られています。しかし、成績中の下に合わせた授業だったら十分に教えられる子どもは2割以上います。その二割の子どもは教師には実現できない膨大な会話を積み上げることが出来ます。子どもたちは多くの時間を共有しています。中には保育園・幼稚園から一緒の子どももいます。

 全ての子どもに、以下の映像で示される教師を与え、子どもを与えたい。そして、教師と子どもの役割が流動化すれば仲間になる。そして、繋がる教師・子どもが多様化すればチームになれる。

私には金も無いコネも無い。でも、多くの同志が目のあたりにしているドラマを映像化したい。

https://www.youtube.com/watch?v=Ayp8P9BXYtA&app=desktop

実話です。

成績上位の子どもが夜遅くまで寝ずに勉強していたので、母親が「あなたは100点取っているだから、そんなに勉強しなくていいから、早く寝なさい」と言いました。その子は「○○ちゃんは七の段がまだ覚えていないの。明日はその7の段が分からないと解けない問題をやるの。だから、どうやったら分かって貰えるか準備しているの」とまっすぐと母親の目を見て話しました。