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2015-04-26

[]教師の勤め 21:46 教師の勤め - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 教師の勤め - 西川純のメモ 教師の勤め - 西川純のメモ のブックマークコメント

 うちの若いゼミ生から、『学び合い』を現場で実践したら「迫害」を受けるのではないかと聞かれることはあります。その度に、迫害を加える人はどうせ表面面しかみていことを説明し、絶対にバレない方法を伝授します。でも、その方法をやれば『学び合い』の凄さが発揮しきれません。それを言われると、「それはおまえたちの仕事ではない、オジサンの仕事。待ってなさい」と言います。

 私はゼミ生に禁断の知恵の実を与えます。まあ、サタンみたいなものです。でも、それよって教師としての真の幸せをえられる道であると確信しているから伝えます。でも、その子たちが苦労が少なくなるために何をすべきかを考えます。そして焦ります。だから、常識的な研究者は絶対にしないことを連発します。でも、それしか私に出来ることはないのです。私の出来ることをし続ける、それが教師としての私のつとめです。

[]中野西高校 09:04 中野西高校 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 中野西高校 - 西川純のメモ 中野西高校 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 5月28日に長野県の中野西高校で『学び合い』の公開授業をします。腰を据えて、この学校をバックアップするつもりです。お誘いします。前日の飲み会も含めて私は参加します。

http://manabiai.g.hatena.ne.jp/g-chanDAY/20150426/1430000273

[]何故 09:00 何故 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 何故 - 西川純のメモ 何故 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 『学び合い』を知って間もない同志の方に忠告です。

おそらく、「なんでこんなに理にかなっており、効果があるのに、見た目が今までと変わっているからという理由で認めてくれないだろう。」と思っていることでしょう。実は私もしばらく分かりませんでした。でも、今は分かります。

 理由は、「教え子を全員幸せにしよう」という気持ちがないのです。「幸せにしよう」どころではありません、「全員わからせよう」という気が無いのです。それは不可能だと考えています。その可能性を吟味しようとする気が無いのです。つまり、あなたが何を語ろうとしても「東京のマンションに投資すれば絶対に儲かります」という話と同じなのです。

 でも、実は、教師だったら心の中に「全員を幸せにしたい」という気持ちはあります。しかし、現実の中でそれを封印しているのです。その封印を開けば、現実に苦しんでいる子どもを四六時中見つめなければならなくなってしまうのです。だから臆病になっています。じゃ、どうしたらいいでしょうか?

 無理に分からせようとしてはいけません。あなたが結果を出しましょう。おそらく結果が出ていると思います。少なくとも人間関係の改善は比較的簡単に出ます。ただ、周りの人が納得しやすい単純で分かりやすい結果を出していないかもしれません。だったら、それを出しましょう。そうすれば、封印を解きたがっている人が近づいてきます。集団の中には2割はいます。分かりやすい結果を出せない方は本をお読み下さい。そこには理由を書いています。(明治図書 「簡単で確実に伸びる学力向上テクニック入門」、「子どもが夢中になる課題づくり入門」)

[]妄想は止まらない 08:08 妄想は止まらない - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 妄想は止まらない - 西川純のメモ 妄想は止まらない - 西川純のメモ のブックマークコメント

 鉄道が廃止になると地域が寂れるという常識に反するデータを載せている記事を読みながら思いました(http://tabiris.com/archives/category/train/localtrain/)。「まったくだよな~」と思います。私の住んでいる上越市に新幹線が通りました。おそらく、私は第三セクターとなった長野方面の電車と、富山方面の電車には乗りません。では、誰が乗るのかな~っと想像すると、まあ高校生の通学が主でしょうね。

 そもそも近距離の電車は、集約されたもので解決しようとする旧時代の産物です。おそらく小型バスを多く利用した方がいいでしょうね。その小型バスを通勤・通学の時間帯以外は、シルバー世代の病院通いや、郊外型店への移動に使う方がいいように思います。そして、知恵があるならば地域の観光に使えばいい。

 でも、そもそも高校に通うのに電車に通うこと自体馬鹿馬鹿しい。そもそも現在の学校教育大学それが必要なだけで、『学び合い』だったら勉強の得意な子も、そうで無い子も一番近くの学校に行けば良いのです。そこで、その子にあった課題をどんどん解けば良い。必要であればネットで自分に合った授業を探し、必要であればスカイプで繋がればいいのです。そして、センター入試廃止後に本格化するCBT方式(コンピュータで試験をする方式)を通じて、都道府県レベルの試験を受ければいいのです。通学に毎日使うロスを勉強に振り分ける方がいい。学校の意味は、教師から課題を与えられ評価されるところではありません。

 SOHOだって本格化すればいい。高校と同じです。通勤距離20分ぐらいの距離にあるビルを協働で借りるのです。最初は企業グループが出発点でいいですが、基本的に個人で借りればいい。そこで仕事をするのです。自然と異業種の人が集まる。そこで一緒に仕事をするのです。つまり一人の人は企業に所属すると同時に、共同ビルを借りる仲間という共同体に所属するのです。

 実は国だってそうです。社会保障の企業がもっと充実し、ありとあらゆる子とを保証するようになると、人は国と同時にその社会保障企業に所属するようになるかもしれません。

 あ~、妄想は止まらない。『学び合い』のセオリーで考えれば、今あるものの馬鹿馬鹿しさを感じます。でも、まずは現実から。

[]攻撃2 06:00 攻撃2 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 攻撃2 - 西川純のメモ 攻撃2 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 『学び合い』でよくある「おりあい」に有効な攻撃の例

 対人関係の苦手な子どもと関係を結ぼうと近づくと、その子が暴言・暴行をする場合があります。その際、単独で近づくのではなく、三人ぐらいの子どもがいっしょになって近づいて話しかけるというのがあります。ま、集団的自衛みたいなものです。それが様々な組み合わせで波状攻撃するのです。そのうち根負けします。

 他の子どもにひどいことをすると、周りの子どもが近づかずぽつんとひとりぼっちになることがあります。これも攻撃です。しかし、その状態が続けば全員達成しないので、しばらくするとその子と協働します。

 ゲーム理論に囚人ジレンマという課題があります。詳しくはご自身で調べて下さい。ようは裏切る誘惑ある条件でどういう行動をしたらいいかというゲーム理論の課題です。それを反復する課題において最も有効な戦略はもの凄く単純な以下の戦略です。

 第一は「自分からは裏切らない」。

 第二は、「相手が裏切れば、次回は裏切り、相手が協力したならば、次回は協力する」。

 子どもはゲーム理論を知らなくても、実地に反復囚人ジレンマ課題をする中でそれを学びます。

追伸 私を裏切る人の多くは、私に裏切り返された後に、頭を下げて協力するという知恵が無いですね。ま、距離的に離れているので、頭を下げて協力することによってえられるメリットよりも、何もしないというメリットを選ぶようです。すなわち反復囚人ジレンマ課題にならないのです。少数ですが、頭を下げて協力するという知恵のある方もいます。

[]全員達成 05:34 全員達成 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 全員達成 - 西川純のメモ 全員達成 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 全員達成を子どもたちに求められないと悩む同志がいます。原因は、リアルに特定の子どもを思い浮かべて、「あの子までも・・・」と思っているからです。

 安心して下さい。『学び合い』では、その子と真の友情を結べと求めているのではありません。折り合いをつけることを学びなさいと求めているのです。『学び合い』において一人一人の子どもは他の人と「おりあい」をつけて様々な程度で繋がります。1でつながることも、10で繋がることも、100で繋がることもあるでしょう。その際、全員がつながり0になることはとても損だと言うことを語りましょう。

 全員達成のすばらしさを語るより、もし、特定の人は除外してもいい、と集団が思ったときの危険性を語りましょう。その方が簡単です。そして、特定の子どもを頭に浮かべるのはやめましょう。個々の子どものことを考えるのは集団の仕事です。教師の仕事は集団を管理することです。個々の子どものことを考えることもありますが、それによって集団を管理することがおろそかになれば、結局、全ての子どもを見捨てていることになります。

[]攻撃 05:08 攻撃 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 攻撃 - 西川純のメモ 攻撃 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 ある同志から、「現代社会には紛争もあり、戦争もある、また、動物社会では兄弟であっても攻撃する。本当に協働は得なのか?」と聞かれました。典型的な誤解の一つなので、ここに書きます。

 『学び合い』のセオリーは短いですが、含蓄があります。学校観は「多様な人と折り合いをつけて自らの課題を解決すること」を学ぶことが学校の意味だと述べています。「仲良しになる」とか「協働する」ことを求めているのではありません。「おりあい」なのです。

 また、コンラート・ローレンツの「攻撃」を読めば分かりますが、「攻撃」は有効な生存のため手段なのです。「おりあい」の手段です。それは「協働」と矛盾するものではありません。『学び合い』で全員達成を目指すとき、自らの課題を解決するために協働が有効であることを学びます。同時に、攻撃「も」有効な手段であることも知ります。

 度を過ぎた「協働」、つまり人を教えるために自分が勉強することが出来なくなること、そして、度を過ぎた「攻撃」、つまりその人から徹底的な反撃を受けることを引き出す攻撃は「おりあい」に有効ではないことを『学び合い』で学びます。

 『学び合い』でまなぶのは「おりあい」です。そして、攻撃もおりあいのために有効な手段です。『学び合い』でそだてたいのは博愛主義者でも、絶対平和主義者でもありません、現実主義者です。