■ [大事なこと]メッセージ

知っている人は知っている、でも、多くの人が知らないことがあります。それを知らせるのは私の責務だと思います。
分かりやすい例です。
東京にある大学の中で、スーパーグローバル大学のトップ校に選ばれたのは東大、東工大、東京医科歯科大学、早稲田、慶応です。それ以外の大学の卒業生がタクシー運転手やコンビニ店主になることが一般的になる可能性があるのです。タクシー運転手やコンビニ店主が駄目だというのではありません。ただ、大学で4年間のアカデミックのトレーニングを受ける必要が無い職種だということです。逆に言えば、理論物理学者が大型特殊の免許が必要ないのと同じです。
おしかりを承知で明記しますが、一橋大学やお茶の水大学もトップ大学には選ばれなかったのです。信じられないけど、事実です。あまりにも極端すぎる推論であることは了解しています。でも、それぐらいの危機感は必要だと思っています。
■ [お誘い]フォーラム

8月のフォーラムに間に合わせるよう、執筆者、また、編集者の方々のおかげでフォーラムにアクティブ・ラーニング本が2冊間に合います。おそらく、最初に手に取れる機会かもしれません。私の本は同志かたがたの武器です。読んでいただければ、その意味が分かります。
第1回目のフォーラムは、主催者の西川ゼミ関係者が15名、参加者は15名の会でした。今度の会は、あともう少しで満席になる勢いです。隔世の思いです。
■ [大事なこと]アクティブ・ラーニング

私は『学び合い』を中高の先生方に話すとき、部活を例にします。部活で成績を上げている教師は『学び合い』で部活経営をしています。しかし、その教師も授業では一斉指導です。
大学の先生方に説明するならば、研究室運営です。これはリッカートの研究にも一致しています。研究で実績を上げている研究室は『学び合い』で運営されています。ただ、そこの教授も講義では一斉指導です。
一度分かれば、今までの指導のノウハウがそのまま使えることが分かります。そして今までのノウハウが、何故有効であったかを理論的に理解できます。
■ [大事なこと]二通りの今後

子どもたちは旧帝大及びトップ国立・私立大学を卒業する子どもたちと、その他の子どもたちに人生の過ごし方は大きく分かれます。後者の子どもたちの場合は、大卒か否かは重要ではありません。即戦力の能力を持つか否かです。後者の大学で枕草子を研究した学生は、アルバイト程度の仕事しかつけなくなります。むしろ自分しか無い技術を持つ高卒の子が安定した生活を出来ます。
前者の子どもはアクティブ・ラーニングでエリート教育を受けます。彼らのネックは、トップ大学の内部にあります。権力闘争が終われば、粛々とその方向に進みます。そして、彼らは我々と近い人生を過ごします。だから安心です。
怖いのは後者の子どもです。彼らの教育を受ける学校はアクティブ・ラーニングの圧力が相対的に弱い。だから、多くの学校は今まで通りの教育をする。教師はハッピーです。ところが、卒業した後に彼らが生活する大人の世界はアクティブ・ラーニングで育てられる能力が勝負の世界です。インターネットで検索すれば直ぐに分かる知識しか教えられずにたたき込まれるのです。
その構造は、現在の特別支援教育と同じです。教師の視野が「今」だけにとらわれている。だから特別支援の子どもが三十台、四十台になったとき、保護者は「学校は卒業した後は何も手伝ってくれない。卒業した後に生きる力を与えてくれないで放り出す」と言うのです。彼らは人件費の安い海外の人々、人件費がいらないロボットや人工知能と職を争うのです。当然、その生活環境は発展途上国に準拠せざるを得ません。それがグローバル化です。それが着実に、進行している。もうその布石は完全に終わっています。それが9割以上の子どもたちの未来です。
私の頭の中は黙示録の世界が広がっています。早く教師が気づき、彼らが生き残れる能力を与えなければならない。
視野が今しかないから、教材がどうのこうの、基礎的基本的な知識・技能で留まっている。う~ん