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2015-07-17

[]特集号 11:18 特集号 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 特集号 - 西川純のメモ 特集号 - 西川純のメモ のブックマークコメント

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[]黙示録 07:10 黙示録 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 黙示録 - 西川純のメモ 黙示録 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私が大学や学会の未来のことを書けば、暗い未来しか書けません。黙示録のようです。でも、既に黙示録ははじまっています。

 私が大学に異動した30年前の教員養成系学部はのどかでした。なあなあで進みます。どんな人も教授になれました。20年ぐらい誰も学生がつかないような人も教授になれました。大体45歳から教授になれて、多くの人は47歳ぐらいには教授になりました。それで人生設計が出来ます。

 今は四十代で教授になれるのは希です。そして退職の65歳の半年前に教授になる人も出るようになりました。昇級ストップの57歳以降に教授になっても、給料は生涯准教授並みです。そんな人が多くなっています。

 今後、この傾向はもっと顕著になるでしょう。

 怖いのは、黙示録の天使のラッパのようなハッキリしたイベントによってはじまるわけではありません。

 全学の会議で、予算の1%削減、教職大学院の設置、設置審の大綱化、それらは全部、事実として語られます。事実、それらは大学人が何とか出来るレベルのものではありません。しかし、それらが自分の昇任を5年、10年遅らせ、生涯収入を一千万円以上変えるものであることを意識する人はいません。

 でも、就職できた人はまだいい。

 可愛そうなのは博士課程の人です。博士課程がある大学は、需要があるかないかにかかわらず入学者を確保し、修了生を生み出します。

 研究者の数が少なくなれば、潰れる学会も生まれるでしょう。

 スーパグローバル大学に選ばれるような大学は今の路線で進めばいい。問題はそれ以外の大学です。今のままでは緩慢な死を待つのみです。でも、活路はあります。顧客を生み出すようなジョブ型大学に脱皮すれば飛躍できます。最大のネックは管理職でしょう。今の大学には、どんな大学にも有能な人材は一定数います。しかし、管理能力のある大学人が少ない。おそらく大学における最も希少資源はその様な人材だと思います。