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2015-07-25

[]一斉 17:19 一斉 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 一斉 - 西川純のメモ 一斉 - 西川純のメモ のブックマークコメント

世界中が一斉に動き始めている。

経済のグローバル化が、人の保護主義を許さなくなっているのだろう。

http://benesse.jp/news/kyouiku/trend/20130325170022.html

[]業務連絡 10:46 業務連絡 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 業務連絡 - 西川純のメモ 業務連絡 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私の参加する『学び合い』の会で、「こんなことを言うと西川先生から叱られると思うけど・・」とか「西川先生からは違うといわれると思うが・・」と前置きして話す方がおられます。半分以上は冗談だとは分かっているのですが、知らない人が聞けば、私が教条的な人であるように誤解されます。

 第一、私は人を叱りません。(キッパリ)もっと正確に言えば、私の三十年間の教師人生で叱った回数は両の手に収まります。いつもニコニコしています。

 分かって欲しいのは、私のこだわっているのは、一つの願いと学校観と子ども観だけです。それ以外の方法論は全て陰にすぎません。私と違っていても気にしません。

 もし、「何人かの子どもは分からなくても仕方が無いよね」とか、「何よりも大事なのは計算が正確に出来ること」とか、「子どもは子どもにすぎない、結局、教師がちゃんとやらねば。それが教師の仕事よね」と言う人がいたら私は呆れますが、怒りません。ただ、その人がそれが『学び合い』だと言えば、私は「違います」と言います。

 フォーラムでご参集の方々にそのような方はおられないので、お願いですから、「こんなことを言うと西川先生から叱られると思うけど・・」とか「西川先生からは違うといわれると思うが・・」とは言わないでね。心が傷つくから。お、ね、が、い。

[]未来 10:02 未来 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 未来 - 西川純のメモ 未来 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 今後の日本の雇用社会は変わります。このことは理屈をちゃんと言えば納得してもらえます。ところが、案外、リアルにとらえていないように感じると思うのです。その場合は、教員の事例を挙げると分かります。昨日のゼミ生にはそのあたりをじっくりと語ったのです。

 アメリカでは公務員すらも終身雇用ではありません。大統領が替わると上層部は全とっかえです。アメリカでは教員を有期雇用にしようとしている州も現実にあります。

 実は日本も既に有期雇用の教員が多くなっているのはご存じですか?公立小中学校の非常勤講師、臨時的任用教員は実数の二割弱になっており、増加傾向です。新規採用者が一発で採用されることは小学校で4割、中学校で3割、高校で2割しかいません。多くは何年も非常勤講師の経験者なのです。これから大量退職者の時代ですが、そのまま新規採用者を増やすとは考えられません。何故なら、そんなことをすれば年齢バランスの歪さを再現してしまうからです。大学では新規採用者に関しては年俸制(つまり有期雇用)で採用するように文部科学省が指導しています。今後、教員も新規雇用は有期雇用で採用することが一般化するでしょう。とても暗い未来のようです。しかし、考え方を変えてみませんか?

 校長はフランチャイズの店長で、教員はそこで働くパート店員と考えて下さい。教員は有期雇用ですが、普通に勤め上げられたならば基本的に再任用になるので、実質終身雇用です。定年もなく、働けると判断する店長がいて年俸で折り合いがつく限り働けます。

 有能な教員の給与が上がります。給与が不満ならば、自分を高く評価してくれる校長や教育委員会(つまり他店の店長)に売り込むことが出来ます。土日勤務に関しては、正当に交渉できます。正当で無いと思えば他校に異動すればいいのです。

官製研修は無くなります。その代わり、自分が必要と思う研修に関しては自腹で参加し職能をアップするのです。その職能アップによって他校に高級で異動することが可能です。

 校長には大きな人事・予算の権限が与えられます。しかし、フランチャイズの店長は、アルバイトに全員逃げられたら首になります。それと同じように多くの教員からそっぽを向かれたら校長も首になります。一方、働きやすい環境を保証出来る校長だったら、比較的安い年棒で力量のある教員を集めることが出来るのです。自分が思った学校を作り上げて、給料はアップします。

 きっとこれを読んでいる方々だったら、可能性のある未来だと思いませんか?

[]変わった生物 06:53 変わった生物 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 変わった生物 - 西川純のメモ 変わった生物 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 ゼミ生には、『学び合い』フォーラムに行けば変わった生物に出会えるよ、是非参加するといいよ、と勧めます。絶滅危惧種の生物が集まります。

 私は小学校、中学校と友達がいませんでした。高校で一人の友達を得ました。そんな人間です。私の対人スキルのなさもあったと思いますが、とにかく私が興味を持っているようなことに興味を持つような子が周りに誰もいなかったのです。だから、誰とも話せません。そして、周りの子が興味を持っていることに私は興味を持てなかったのです(つまり対人スキルが無かった)。

 ところが筑波大学の生物学類に入学して一変します。私が興味を持つようなことに興味を持つ人がわんさかいるのです。驚きなのは、私が知らなかった、私の興味を持つようなことに興味があり、色々なことを語れる人が多いのです。なんか「俺一人じゃなかったんだ・・・」というような感じです。

 その生物学類にNちゃんがいます。超変人路線を爆走していた私と違って、さわやか青年です。生物学類の学生なのですが、完全に体育系学生です。生物の勉強はそこそこで、バレーに生きて、高校バレーの指導に燃えています。

 彼は順当な教員になりました。私は超変人路線から「厚生」に3年遅れで高校教員になりました。

 しかし、高校教師に挫折し、研究者になった私はもとの超変人路線を爆走します。それが許されるし、研究者は変人であることが勝負の世界です。そして『学び合い』に至りました。

 一方、Nちゃんは着実に教師として成長し、実績を上げています。人柄もあり、東京都の生物でのネットワークの中心にいるような人になりました。そのNちゃんに繋がりのある人が『学び合い』に繋がり、Nちゃんに繋がりました。

 ある日、『学び合い』を学びに上越に3時間ほど来て私と話しました。もともと『学び合い』は生物学と相性がいいためだと思いますが、直ぐに分かってもらいました。そして即実践。教科のこだわりを一時期押さえる、というという段階に時間がかかりましたが、それを超えれば爆走しました。人徳のある彼が「いいぞ」と言えば直ぐに広がります。私の語りのようなとげもなく、ニコニコ伝えるのですから波及効果があります。ということで東京都の高校に広がりました。

 定年5年前に東京都をやめて、島根に移住、爆走しています。

 本日は教職大学院のOBOGが大学に戻って教職大学院での学びが学校現場でどのように役に立ったかを現役生に話してもらい、ディスカッションする日です。その会の後、西川ゼミのOBOGとゼミ生が飲み会をします。

 Nちゃんから、その飲み会だけでも参加できないかとのメールが来たのでビックリです。たった2時間程度の飲み会のために、島根から上越に来るなんてクレージーです。あまりにも恐縮したので、その前の会から参加したらと提案したら参加するとのことでした。

 残念ながら多くの教師は採用後5年以内に進歩が止まります。そして、そこそこの授業を毎年、毎年繰り返します。ところが56歳になろうとしているのに、数時間の学びのために二日間の時間とかなりのお金を費やそうという絶滅危惧種がまだいます。大学時代の私の交際範囲は狭く、Nちゃんとはあまり話していません。大学時代に悔いることがあるとしたら、Nちゃんをはじめとして多くの人ともっと話せば好かったと思います。ま、幸いにしてNちゃんとは今は話せます。

 『学び合い』フォーラムには日本全国からNちゃんのような、また、Nちゃんとは全く別々な人が集まります。もちろん、日本には様々な教育に関わる会合が数多あります。でも、『学び合い』フォーラムの特徴は三つあると思います。第一に学校段階、教科に拘らない点です。子どもの姿を語るからです。だから、小学校の先生と高校の先生が全く違和感なく話せます。第二に、カリスマ教師の話を拝聴するというスタンスではなく、みんなでわいわいとやることが中心になります。第三に、そもそも教師だけが集まるかいでない点です。種々雑多の人が集まります。理由は、「多様な人とおりあいをつける」ことが自らにとって得であることを理解している人の集まりだからです。

 変わった生物の群れの中に己を浸し、日本の未来は明るいことを感じたいと思っています。