■ [大事なこと]同志
私は「同志」という言葉を使います。おそらく、『学び合い』以外では使わない言葉ですね。でも、使わないのは当然です。説明します。
教師の研修集団は世の中に数多くあります。そこに所属する人の大多数は「自分」の授業力改善を目指しています。それが当然です。そのような集団の中で組織だった動きをするためには組織が必要だし、規約が必要です。何故なら、自分のエゴでうごく多人数をまとめるとしたらそれが必要です。
『学び合い』の集団には組織はなく、規約はありません。それは偶然ではなく、意図的なものです。組織を作れば、組織は組織を維持することが目的になりますから。でも、問題なく動いています。何故、上手くいくかと言えば、個人を超えたミッションがあるからです。そして、そのミッションが個人のエゴに結びつくからです。それが学校観です。
だから私が同志と言うのは、自分の授業改善の為には、自分以外の人の授業改善が必要であることを理解している人を指します。そして、自分以外の人の授業改善を成り立たせる理論は、子どもに対してと同じで、一つの願い、二つの観であることを理解した人は上手く動かすことが出来ます。
『学び合い』フォーラムを立ち上げた当初は私がノードでした。でも、どんどんノードが増えています。そして、私のノードとしての役割がなくなるようになるでしょう。それが理想です。命令系統がないのに、何故か、組織的な動きが出来る。それが最強の組織です。
追伸 現在の教育にある最強の組織は、一斉指導です。どこにも組織図や規約がありません。しかし、支配力は絶大です。あはははは
■ [嬉しい]パネルディスカッション
『学び合い』フォーラムでのパネルディスカッションは素晴らしかったと思います。後藤さん、高橋さんの素晴らしいのは折り込み済みです。濱さんは初めてでしたが、初々しいし、日本に希望を与えるものです。
私的に面白かったのは文部科学省の課長さんの話です。課長といえば、実質の仕事を仕切っている人です。何が面白かったか、話の主語が文科省なのです。中央教育審議会ではなく。それが心地よかった。日本の官僚は昔から有能です。身内の中では主語は文科省です。が、外に出るとそれを隠します。今回の会で主語で語ってくれたのは、我々を仲間、もしくは仲間になって欲しい相手と思ったからだと思います。
後ろが安心できれば、前に進める。
追伸 その話の中で、現場の優れた実践を普遍化するのが文科省の仕事であると語っていました。この話を都道府県レベルになると誤解するだろうな、と、思いました。つまり、都道府県レベルになると、「今までの延長上でいいんです」という免罪符を連発します。しかし、文科省の意図は「特に優れた実践を普遍化する」のです。既に普遍化されていること、おおくの教師がやっていることならば、わざわざ普遍化する必要はありません。そして、それが普遍化されている教育に問題があるからアクションしているのです。