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2015-11-05

[]高校 19:54 高校 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 高校 - 西川純のメモ 高校 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日、ある高校の先生から今後の高校はどうなるかを聞かれたので、私なりの想像を巡らしました。

 いわゆるアカデミズムを目指す大学はごく一部になるでしょう。残りの半数はジョブ型に移行し、半数は潰れるでしょう。一部は高等専門学校もしくは専門学校に実質的な移行があるかもしれません。いずれにせよ大学は縮小します。

 ジョブ型大学も専門学校も企業も即戦力を求めるようになるでしょう。終身雇用終焉の当然の帰結です。そうなれば、大多数の普通科高校が不要になってしまいます。今後は欧州のように職業科高校が増えるでしょう。

 じゃあ、どんな職業科高校が望ましいか?

 日本で唯一の学科を設け、日本全国から生徒を集めるという戦略の学校はあります。しかし、それはごくわずかでしょう。高校生の頃から親元を離れることを望む子どもも保護者はそうはいないと思うからで。

 通学圏内に複数の職業科高校が乱立するようになります。さて、各学校の差別化はどのようにしたらいいでしょうか?偏差値ではありません。何故なら、高校生が望んでいる就職に繋がらなくなるからです。私は地元企業との連携だと思います。話が前後しますが、職業科高校が増えても、職業科の教師が増えるとは思いません。感情的なおしかりを覚悟で言うと、高校物理が大学の物理と似て非なるもののように、職業科で学ぶものと企業の仕事は似て非なるものです。だから、職業科の授業を充実させても必ずしも即戦力にならないと思います。では、どうするか、ドイツのデュアルシステムに移行すべきです。

 例えば、週のうち2日間は地元の企業で実習をします。そして3日間は学校での勉強をするのです。もし、地元企業で役に立たないことを学校でやっているならば、企業の協力を得られません。だから、学校での教育は地元企業を意識した教育をします。それは職業教育ばかりではなく、国語・社会・理科・数学・英語もです。

 法的縛りがあるのは教師用指導書ではなく学習指導要領なのです。あの文章を読めば、自由度が高いことが分かるはずです。いくらでも地元企業も納得する国語・社会・理科・数学・英語は可能です。実習での姿が認められれば、そのまま就職です。

 つまり職業高校の差別化は、どれだけ優良な企業と連携できているかで決まるのです。そのような関係を結ぶためには、その企業が求める教育を行うと共に、その職業科の教師が地元企業と連携して商品開発をする役割を担うべきなのです。

 という妄想をしています。とその高校の先生に話しました。

追伸 書き終わって感じるのは、「俺の元々の専門は理科教育学なのに、いつの間にこんなこと考えるようになってしまったんだろう~」ということです。