■ [大事なこと]受験戦争

本年度のセンター入試が本日終わりました。おそらく、多くの子どもの大学の合否が本日決まりました。センター入試の点数を重視する大学が多くを占めるでしょう。だって、センターと同じだけのマンパワーを受験に費やせる大学は少ないですから。そして、アドミッションポリシーに対応した2次試験を実施できる大学は旧帝国大学以外は殆ど無いですから。
厳しいですね。
この受験戦争を緩和するために、入試を簡単にして卒業を厳しくするという方法もあります。でも、それってもの凄く厳しい戦いです。だって四六時中、戦いであるのです。ただ、いいこともあります。つねにリターンマッチもあるからです。そして、戦う相手は自分なので、他者との協働もしやすい。
もう一つあります。得たものを失う可能性があります。つまり、ある大学に入学したことが無になる可能性です。我々は一度得たものを過大評価する傾向があります。だから、もの凄くつらいことになります。
だから、一発勝負の現状は「優しい」とも言えます。ただ、それによって保証するものの価値が暴落していることを多くの人は知らない。
■ [大事なこと]未来の学校

グローバルは価格や一般受けする価値で勝負する。ローカルは顧客の個人的な価値で勝負する。これはサービス業ばかりではなく、第一次産業、第二次産業も同じだと思う。
私は大学で家電製品を買うとき、特定の業者、もっと言えば特定の「人」にお願いします。その人は、私の研究室においてある家電、特にコンピュータ関係を一手に納入しています。だから、何に何を繋げているか分かっているのです。そして、何を第一優先するかも知っています。だから、非常にアバウトな要求をしても、ちゃんと応えてくれます。また、コンピュータが不調な時は、調整してくれます。これがありがたい。
今後、ICT機器の便利さを知っている老齢者が増えるとき、この手の需要は増えると思います。今でも、その担当者が異動したらどうしようか、と悩むほどですから。
似たようなことが起こると思います。
価格や一般受けする価値であるならば、ネット上でのソフトの優位性は絶対的です。
だから、学校も家庭学習も塾も、それらを自由に使う点は同じだと思います。この種のサービスに教師個人はもちろんとして、中小受験産業、学校、教育委員会も勝つことは出来ません。無駄ですから戦わない。
また、成績管理と一般的なアドバイス(例えば志望校別の受験対策のアドバイス)もネットの方が勝るでしょう。だって、ネットによって個人データを組織的に蓄積し、ビックデータを使って分析できます。また、一般の教師と、それだけで生きている受験産業のチームとで受験アドバイスを勝負しても、どちらが勝つかは自明です。つまり、今現在、教師の武器としているものの殆どは全く価値を失います。
じゃあ、学校は何で残るか。それはローカルだと思います。本当の意味で一人一人の子どもと人として接する。その子の兄弟や親や祖父母の情報も重要です。その子の机の上にどんな本が置いてあるかのレベルを知る必要があります。となると、都道府県レベルでの採用や人事では無理でしょう。人口10万人程度のエリアでの採用が基本となります。採用後もそこでずっと異動します。じゃあ、今の全県レベルでやっている仕事は誰がするか?それは全く別の採用枠を設けるのです。つまり、優れた教師の延長上に管理指導主事や教育長がいるのではなく、管理者を別に採用するのです。
そんなことを妄想しました。グローバルとローカルが全く違う論理で動くことを理解することが大事です。
追伸 言うまでもないですが、教師のもう一つの職能は、子どもの心に火をともすこと。全員にともすには集団をどのように管理すべきかが勝負です。