■ [大事なこと]時間
私はゼミ生を叱りません。まあ、笑いながらからかうことはします。しかし、例外的に叱ることが2つあります。
一つは、信頼してくれた人の信頼を裏切ったとき。
一つは、人の時間を大事にしないとき。
後者のもっとも端的なときは、発表会の時間を守らないときです。
私の知る限り、時間を守らない発表に内容があったことはありません。何故なら、限られた時間に話をまとめようとする意識の無い人の話に内容があるわけありません。何故、時間を守れないか、十中八九、いや百中九十九、時計を見ていません。つまり、そもそも時間を守ろうとする意識がありません。だから、時間が守れない。
私の講演会を参観している人だったら、私がどれだけ時計を見ているかを観察するといいですよ。私は人の時間を大事にします。だから、絶対に時間を守ります。そのために、全体の話の構成を考えます。
最近、あるゼミ生が発表の後、「先生、何かありますか?」と聞きました。そのゼミ生は7%ほどオーバーしていました。私は「時間」と申しました。発表の内容は素晴らしいものです。しかし、無駄もあった。7%を守り、時間を厳密に守れば、本当に完璧な発表になったと思います。
これからの時代。相手の時間をどのように守るか。それが勝負のように思います。
■ [大事なこと]入試本
ぼつぼつ新らたな入試における入試本が出ているようですね。
しかし、発想が変わっていなければいけません。
例えば、問題が予想できるとしているならば、そりゃ間違っています。ましてや、それに答えが書いてあったら大笑いです。
新たな入試に対応する入試本が出来るのは、今までと違った奇想天外な問題、そして答えが決まっていない問題に出会ったとしても、降参しないようにすること「だけ」が出来ることです。
じゃあ、本当の対策はどうしたらいいか?
様々なジャンルの本を読みあさり、様々なジャンルのことを人と話し合い、そして自分で考えることです。
ちなみに、私はそれをやりました。やり過ぎました。今の入試制度は、それを評価しません。だから、高校入試では進学校に入学出来ませんでした。そして、高校2年まで受験成績は悪かった。
今は狭間の時代です。どちらにも対応しなければなりません。
■ [大事なこと]SGU
偏差値の高い大学に入学したことは何を証明しているのでしょうか?
知識の量が多い。
課題解決に向かって継続して集中することが出来る。
課題解決に向かって要領のよい方法を見いだすことが出来る。
だから、偏差値の大学を卒業する人は就職に有利でした。
でも、人工知能で勝てるでしょうか?まず、知識の量は勝てるわけありません。機械ですので誘惑に負けず、睡眠時間も不要です。人間の万倍も一千万倍も速くトライアンドエラーするのですから要領は不要です。
よく「この仕事には長年の経験が必要だ」と若手に言う場面がありますが、そういう職種は人工知能に勝てません。人工知能は万年、一千万年分の経験をすることが出来るのですから。だから、要領自体を獲得する能力も長けています。
じゃあ、人間が勝てるのは何か?
何らかの法則性を獲得するためのデータが少ない状態で、何らかの法則を見いだす能力です。「直感」、「閃き」、「天啓」です。だから、努力して獲得できるものではないのです。努力して得られるものは人工知能に勝てません。
SGUに入学するのは天才だけで良いのです。ただし、多様な天才を。
個人的意見を言えば、SGUの各学部で最も成果を上げている研究者が面接すれば一発で分かります。秀才の優劣は分かりませんが、天才か否かは比較的簡単に分かります。一言で言えば、アンバランスなのです。常人の高校生が読まないような本を読み、その分野の研究者と対等に議論できます。(逆に言えば、常人の高校生が持っている知識が見事に欠けています)
というあたりが、分からず、頑張った子が入学すべきだと思う人は今の流れが分からないのでしょう。(http://news.livedoor.com/article/detail/11199580/)
追伸 じゃあ、天才でない子どもはどうしたらいいでしょうか?それは対人関係が武器となります。努力によって獲得した知識・技能は特定の相手用にアレンジできるならば、それは人工知能には負けません。何故ならば、一人一人の個性に合わせることは、得られる収入に比べてかけるコストが大きいからです。