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2016-03-06

[]折り合い 22:23 折り合い - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 折り合い - 西川純のメモ 折り合い - 西川純のメモ のブックマークコメント

 『学び合い』では「多様な人と折り合いをつけて自らの課題を解決すること」を大事にします。しかし、『学び合い』が分からない人には「折り合い」という意味が分かりません。『学び合い』を「仲良く」に近くとらえがちです。違います。折り合いとは、お互いがそれぞれ自分にとって利のある取引をすることです。その中には、その人とつきあわないという行動も折り合いなのです。ただ、無意味に攻撃しない方が良い折り合いの付け方です。

 かつて、大人の話法を使えず、ネットで私を攻撃し続けた人がいました。私は「あ、この人と議論することに実りが無い」と判断したので議論をやめました。が、その人と違って、私はその人を名指しで攻撃することはありません。実りが無いですから。そして、私のゼミ生や、仲間がその人の講演に参加することを奨励することはあっても、禁止することはありません。その人は私のゼミ生や仲間に、大人げない話法は使いませんから。

 ま、『学び合い』をちゃんと調べもせず、言葉の印象で云々する人は少なくないですね。研究者の私は、明らかに個人特定して否定する場合は、文献を読み調べ、研究者として否定します。それが研究者の作法ですから。

[]判別法 21:21 判別法 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 判別法 - 西川純のメモ 判別法 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 アクティブ・ラーニングの実現方法は様々です。その多くは「学修者を育てる」という視点に立っています。そうであるから、協働的とは何か、主体的とは何かが議論されるでしょう。また、学力の三要素である「基礎的・基本的な知識・技能の習得」、「知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等」、「主体的に学習に取り組む態度(学習意欲)」が何かが議論されるでしょう。

 しかし、理系の私としては、定義不能の言葉の議論につきあうつもりはありません。そんな言葉遊びの果てに、中央教育審議会の理念が骨抜きにされた過去を繰り返したくない。

 私はアクティブ・ラーニングとは経済・産業界が求める人材を育成するためのものだと思っています。その中には、5%のグローバルエリートも必要ですが、ローカルエリートも必要ですし、何よりも普通の人材が必要です。だから、アクティブ・ラーニングか否かを判別する方法は簡単です。経営者が雇用者育成のためにそれを参考にしたいと思うか、否かに尽きます。そうすれば、多くのアクティブ・ラーニングは子供用の学習に過ぎず、どもまで行っても大人を養成するものにならないことは自明だと思います。

 例にして申し訳ないのですが、例えば、ジグソー法を年間何十回も会社の研修で使いたいと思う経営者がいるとは思えません。おそらく、2回も無いでしょう。(ちなみに、私はジグソー法でも学術論文を書いたことがあります。それ故に、限界も理解しております)

 

追伸

 私は教育研究における言葉遊びが大嫌いです。私の大学院の指導教官は文科省の役人だった人です。その先生から聞いたことです。

 現代化運動の中で科学概念の習得をどのように表現するか議論が分かれたそうです。ある人は基礎的概念が大事だと主張し、基礎的概念とは何かを延々と主張するのです。それに対して、ある人は基本的概念が大事だと主張し、基本的概念とは何かを延々と主張するのです。そもそも言葉遊びに過ぎませんので、議論は終わりません。そこで折衷案で基礎的、基本的概念と表現することになりました。そうすると、いや基本的、基礎的概念にすべきだと主張する人がいます。そこで順序性の無い「・」になったそうです。その後、文科省の表現では基礎的・基本的という表現が使われるようになったそうです。

 その他、様々な言葉遊びの事例を聞いているので、馬鹿馬鹿しいです。

 教育で使われる言葉は定義がもの凄く難しいのは分かります。しかし、定義を一応定めて、それで議論を進めるべきだと思います。ま、言葉遊びに過ぎません。やりたい人がやればいい。そのうちへとへとになります。その後に、実利を取ります。(文科省のお役人がやることです)

追伸2 ちなみに、『学び合い』を従業員教育に取り入れ、成果を上げた事例をしっています。経営学の論文に引用された事例も知っています。おそらく、学校教育に関してはもの凄く希だと思います。

[]大学進学率 14:04 大学進学率 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 大学進学率 - 西川純のメモ 大学進学率 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 最近、ゼミ生から「先生は、大学進学率はどれぐらいに今後なると思いますか?」と聞かれました。私は「15%ぐらいかな~」と間髪入れずに応えました。現状の5割に比べると劇的ですね。私は「アカデミズムで勝負できる大学が5%、ジョブ型にシフトできる大学が10%で併せて15%ぐらい」と説明しました。

 でも、別な道もあります。

 OECD加盟国の中には日本より大学進学率の高い国はウジャウジャいます。日本の5割は低いぐらいです。オーストラリアはほぼ全員です。でも、基本的な部分が決定的に違います。目立って違うのは入学年齢です。日本の場合は18歳、もしくは一浪して19歳で入学するのが大部分です。しかし、大学進学率の高い国の場合、二十代後半に入学するのが多いのです。高卒で働いてお金を貯め、奨学金ではなく自腹で入学します。

 しかし、親のすねをかじって入ったり、奨学金という借金して入学したりする人とは違って、金を払って学んでいるという意識が濃厚です。18歳の世間を知らない学生にだったら「これは役に立つ」と言ってはったりをかますことが大人の学生には不可能です。もし、そんな教員が多いと世間が思っていたら、専門職大学院なんか設置する必要はないですね。

 日本の大学進学率はどうなるのでしょうか?

 ま、いずれにせよ、私の退職した後です。しかし、現状の幼稚園児には関係あります。

[]夢 06:27 夢 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 夢 - 西川純のメモ 夢 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 高校3年生の半数は志望大学に入学するのが夢です。ほぼ全ての中学3年生は志望高校に入るのが夢です。でも、入学することはツールに過ぎません。何のために入学するかです。子ども達に何のため?と聞けば、進学するためです。そしてその先を聞けば就職です。

 教師になりたい子もいるでしょう。テレビ局に就職したい子もいるでしょう。しかし、就職はツールに過ぎません。教師ならば「子どもを大人にしたい」と願って欲しい。テレビマンならば「素晴らしい番組を制作したい」と願って欲しい。しかし、それすらもツールに過ぎません。

 もし教師になりたい学生に「何で子どもを大人にしたいの?」と聞けば、キョトンとするでしょう。繰り返しますが、それはツールです。本当の夢は「幸せな生涯をおくること」です。私はキャリア教育の最も根幹はそこにあると思います。まず、自分にとっての幸せな生涯とは何かを子ども達に考えさせるべきです。

 そんな思いで「アクティブ・ラーニングによるキャリア教育入門」(http://goo.gl/RvMkiU)を書きました。

追伸 例えば、教師になろうとする学生は、「自分にとっての幸せとは何か?」と「子どもを大人にする」を結びつけなければならないのです。私にとっての幸せは「家族仲良く健康で過ごすこと」です。私にとっては「子どもを大人にする」こととは「家族仲良く健康で過ごすこと」は一致しています。主体的に動き、協働的に問題を解決するゼミに育てているため、私は家族とゆっくりと毎日食事を出来る生活が出来ます。そして、私には十分な収入を得て、それを家族のために費やすことが出来ます。ゼミ運営に悩むこともあります。しかし、揺るぎません。それが子どもと私と私の家族の幸せに一致することを確信しているからです。

[]愛知・豊橋の会 05:53 愛知・豊橋の会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 愛知・豊橋の会 - 西川純のメモ 愛知・豊橋の会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 3月19日に愛知県豊橋市で『学び合い』の会が開かれます。お誘いします。http://kokucheese.com/event/index/375105/