■ [大事なこと]院政

私は採用されてから長らく、戸北先生とチームを組んでいました。その関わり方は独特です。戸北先生は私のゼミ生に教えません。私は戸北先生のゼミ生に教えません。その代わり、飲み会、旅行、昼食は一緒です。そして、戸北先生や私が教えるようなことは、ゼミ生同士の交流で伝えます。こうすると両方の学生は採用するか否かを選択できるのです。どんな良質なアドバイスであったとしても、船頭が二ついることは好くないことです。
ところが、戸北先生が副学長になり、私が単独の研究室になりました。その年は研究室運営がもの凄く大変でした。慌てて学長に直訴し、私の教え子を採用しました。その結果として、研究室内部で溜まってしまうものが学部に発散できるので、研究室は健全になりました。
今は、水落さん、桐生さんの二人の教え子と一緒にゼミ運営をしています。私と戸北先生の関係のように直接は指導せず、飲み会、旅行、昼食は一緒です。昨日は、その3研の追い出しコンパでした。それだけで一つ、いや二つ以上のコースの規模になります。ほっといても安心できる集団です。それに桐生研と水落研のゼミ生をからかっているとき、孫とはこんなもんなのかなと感じます。可愛いが、責任が無いというベストなのです。両ゼミのゼミ生は私のオヤジギャグにつきあってくれます。心の支えです。
追伸 ゼミ生を同僚に採用すると本当に楽です。後白河法皇の気分がよく分かります。来年度はさらに体制を強化し「治天の君」として君臨します。フォフォフォ。
■ [大事なこと]受賞者は?

囲碁における人と人工知能との戦いは、ビックデータがある分野では人工知能には勝てないということです。さて、囲碁の次は何でしょう?私は数学だと思います。次に理論物理学。両者とも記号で記述されており、膨大なデータの蓄積があります。早晩、負かされるでしょう。数学者や理論物理学者は去年の囲碁名人と同じく高をくくっているでしょう。いや、囲碁と同列には考えていないでしょうね。しかし、あるノーベル賞学者いっていました「ひらめきとは、途中経過を思い出せない論理的な積み上げだ」と。
もし、フィールズ賞やノーベル賞を人工知能が受賞したら、それは開発チームが受賞するのでしょうか?やがて、開発自体も人工知能がやるでしょう。そのうちに理系に関しては5%のエリート養成は不必要になるかもしれません。
逆に人に残されたものはあります。それはビックデータが無いもの、作れないもの、だと思います。代表的なのは個人個人への対応だと思います。数が少ないうえに、記号化しにくい。