■ [大事なこと]おぬし、できるな

昨日は教職大学院の修了生との会でした。とても楽しい会です。あれをビデオに撮って公開したら、我が同僚、そして同僚集団がいかに高レベルかが分かります。
その会の最後に、赤坂研究室の現職院生の方が私の手を取って、「このシステムを創っていただき有り難うございました」と言ったのです。ビックリしました。その方とは2年間、殆ど会話したことがありません。しかし、その一言で、抜きんでた方であることが分かります。
我々は空気を意識することはありません。魚は水を意識することはありません。
それと同じように、学生さんは自分たちが享受している環境・システムを意識することはありません。それを意識できる人は、環境・システムを自ら設計しようとする人です。三十代の教諭でそれを出来る人です。ただ者ではないことが分かります。
■ [大事なこと]改革時

改革時には負け組と勝ち組が分かれます。前者は守りに入る人で、後者は攻めに出る人です。もちろん、攻めに出る人の全てが勝ち組になるとは限りません。しかし、守りに入る人が勝ち組になることはありません。せいぜい好くて緩慢な死でしょう。
私は大学の改革において、圧倒的大多数の組織が守りに入ったのに対して、攻めました。具体的には学習臨床コースを立ち上げ、教職大学院を立ち上げました。前者によって、上越教育大学最年少記録で教授になり、後者によって後白河法皇のような立場になりました。
私が大学入試センターの「長」だったら、CBT実施に向けて組織を立ち上げ予算を獲得します。さらに人工知能による記述問題の採点方法を検討する組織を立ち上げ予算を獲得します。おそらく、莫大な予算を投下するでしょう。第一、ゴタゴタしていたら、「あ、そ、出来ないのね。じゃあ、外注するから」となるのは必定です。
それに、CTBや人工知能採点と相性のいい記述問題は何かを検討すれば、日本の教育内容に関して絶大な影響力を持つことは必定です。権力の根源は人事にあるように、入試における権力者は評価者なのですから。
ま、組織全体がその方向に行くことは難しいですが、せめて機動的な小組織を立ち上げてやらせ、その成果をあたかも組織全体の成果のように見せることは可能です。上越教育大学の歴代の学長はそうしていました。
■ [大事なこと]誰がメインプレーヤー

たしかに文部科学省を縛る中央教育審議会答申には日程は書いていません。工程表は文部科学大臣が定めた高大接続改革実行プランです。だから、日程の先送りは恥ですが可能です。が、そうなるかな?と私は思います。理由は今回の改革のメインプレーヤーは文部科学省ではなく経済産業界であり、具体的には経済再生実行会議だと思っているからです。
経済再生実行会議に参加した文部科学省の副大臣・審議官が「大学入試センターが出来ないと言っているし、反対者も多いので、先送りにします」と言ったらつるし上げに合うのは必定です。
ま、いずれにせよ、方向性は変わりません。日本にそれ以外の選択肢はありませんから。具体的には、受験生が日本の大学を選択しなくなります。
だから東京大学、京都大学などは、入試改革に関係なく動いているのです。つまり大学入試センターはメインプレーヤーではありません。