■ [お誘い]一人も見捨てず

多くの方に不快なことを書きます。
私の教師としての原点は定時制高校です。私の判断基準は、私が見捨ててしまった、教え子たちが幸せになれるか、です。それは自動化しています。そのため、尊敬すべき、また、好感を持つ様々な教育実践に対してため息を出してしまうのです。それを大事だと思う人が本当に尊敬すべき教師であればあるほど、そう思う自分が嫌になってしまうのです。
私は平常の教育研究を離れて、『学び合い』研究にシフトしました。平常の教育研究の中で生きていたら、安逸たる学者人生を過ごせることは三十代で決められるだけの業績を上げました。しかし、そこの中にいられなかった。
私は5割強の子どもが分かる状態を7割強にするにはどうしたらいいか、認知科学を利用した研究で見えてきました。それは出来ます。そもそも日本の家庭の大多数は健全です。そして成績中もしくは中の下に会わせた教育だったら、学習前に分かる子どもは3割います。そして、2割以上は自習します。だから、教師が何もしなくても5割強の子どもは分かります。そこに教師の工夫が入れば5割強を7割にすることは可能です。つまり、教師の領域は2割程度です。
ところが分かる子どもを8割に至らせるには名人、カリスマ教師の域が必要で多くの教師にとっては不可能です。そして、その教師であっても9割、そして10割は不可能です。ところが私は最後の1割の子どもがどうなるかを知ってしまった。だから、どんなうまい授業を参観しても、目が泳いでいる子どもの姿が目に入り、その子どもの未来を考えてしまうのです。
教科内容を分からせられなくても、その子どもたちを教師が守ることも出来るかもしれません。例えば、分からせられなくても、分かった気にさせることは出来ます。話術を巧みすれば授業を面白く出来ます。しかし、教師にスポットライトが当たれば子どもは教師に繋がろうとして、子ども集団は育ちません。
多くの教師に自問して欲しい。
「あなたのクラスの最後の一人も救えますか?」
「あなたのクラスを巣立ったときに、子どもたちは生きられますか?そこにはあなたはいないのです」
私はそれを自問し続けています。多くの失敗を繰り返した結果です。
■ [大事なこと]おしえちゃいけない

困ったな。教え方のレベルでアクティブ・ラーニングを理解する人は、「おしえちゃいけない」という罠から逃れられないだろう。どんな人材を養成するためにアクティブ・ラーニングをするかを理解しなければならないのに。だから、私の本では、そこに多くのページを費やしています。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/nakaharajun/20160723-00060299/
■ [お誘い]手引き

私の書いた本は、99%は『学び合い』をこれから始めようとする人向けの本です。だから、すぐ使えるテクニックを中心に書いています。幸い、『学び合い』の実践者が増えました。その方々のための本を書ける条件がそろいました。8月4日に発売の2冊です。
『学び合い』のテクニックを支える理論を理解するための本です。
今すぐお近くの書店に注文すれば、一番早く手に取れます。
『資質・能力を最大限に引き出す!『学び合い』の手引き ルーツ&考え方編』
『資質・能力を最大限に引き出す!『学び合い』の手引き アクティブな授業づく
http://www.meijitosho.co.jp/eduzine/interview/?id=20160564
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