■ [大事なこと]寓話
差し障りがあるので、寓話で表現します。
会社には生産部門と営業部門というものがあります。営業はお客様の声を聞き、それに反応します。生産部門は社員の実態を知っており、それに合わせます。二つは利害が一致しませんので、大抵は仲は良くない。しかし、営業だって、作れないものを作れと言っても無理だと言うことは分かっています。生産だって、売れなければ会社が潰れることを知っています。だから、長い時間の中で折り合いをつけています。
最近、販売先の景気が悪くなり、製品に注文するようになりました。そのことは生産部門に何度も伝えたのですが、うちは「素材で勝負している。細かいところは販売先がやるべきことだ」と言って無視します。ところが、販売先の景気はさらに悪化して、返品するようになってきました。営業は慌てて、安くたたき売ってでも製品を売ろうとしています。
販売先も困っています。製品納入が滞って経営が立ちゆきません。そこで、大株主に直訴しました。大株主は社長に指令を出しました。その指令に応えて、営業はすぐに体制を整えました。しかし、生産の反応が悪い。特に、生産部門の係長レベルが「そんなこと出来るわけない」と言います。課長レベルは上からの指令が来て、板挟みになってしまいました。そこで「生産改革運動」という運動を立ち上げました。ただし、その実行を係長に任せたのです。生産改革をしたくない、出来るわけもないと係長は思います。しかし、命令違反をするわけにもいかないので、「今のままでもいいんだよ。ちょっとだけ、製品加工したように見えるようにすればいい。それが生産改革運動なんだよ。」と工場作業員に指示します。
最近、上からの圧力が厳しくなったので生産部門の課長は、「主体的、協働的な生産(いわゆる生産改革運動)」という言葉を生み出しました。そして、ごく最近では「主体的、協働的な製品を生産する」という言葉を生み出しました。そのたびに係長は「今のまでいいんだよ」と工場作業員に言います。作業員たちも「だって◎◎係長が言っているのだから」と安心しています。
この寓話で伝えたいことは、会社には色々な利害があり、一つの意見で統一されているわけではないということです。そして、大事なのは、係長がどう思うかではなく、社長や株主がどう思うかということです。
これに関してはコメント禁止です。
■ [お誘い]越後の会
10月7日、8日に『学び合い』越後の会を開催します。西川ゼミの全力投球です。お誘いします。http://sasa-yuzu-atamanonakahanandaro.hatenablog.com/entry/2016/08/16/223607
■ [お誘い]神奈川の会
9月4日(日) 10時~13時
アミュー厚木 6階 607
で『学び合い』神奈川の会を開きます。お誘いします。
http://kokucheese.com/event/index/419986/
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