■ [大事なこと]カリキュラム・マネジメント
私は大学学部では生物物理学を専攻しました。指導教官の石坂先生からは多くのことを学びましたが、そのなかで「近似」という考え方は今でもものすごく役立っています。
生物のような複雑な現象は、ものすごく多くのことが影響しています。それを単に記述するだけだったらば、複雑なままに記述すればいいだけです。ところが、それを理解し、予測し、コントロールすることは困難ですし、多くは不可能です。物理学では、近似を行います。それが有効です。つまり、複雑な変数の中で最も大事な変数は何かを見極め、その変数に着目して現象をモデル化するのです。その近似が的確であるならば、小数の要因だけで現象の多くを予測することが可能で、それ故にコントロールすることが出来ます。
アクティブ・ラーニングの本は増えました。しかし、その多くは個々の変数を網羅的に記述するものです。例えば、グループ数はどうしたらいいか、とか、教材はどう扱うか、とうものです。しかし、私は今後の社会の変化が最も大きな変数であると考え、それでモデル化します。その結果として、東京大学の推薦入試、京都大学の特色入試、また、中央教育審議会の答申の細かいところがどのように結びつくかを示すことが出来ます。つまり、様々なことが落ち着く、大きな「絵」を描きます。それが私の本の特徴であり、講演の特徴だと思います。
ちらちらとカリキュラム・マネジメントのことが気になる人が生まれているようです。それに合わせて、カリキュラム・マネジメントを解説する文章が出てきています。それらは丁寧にカリキュラム・マネジメントを説明しています。しかし、私にとっては複雑すぎます。記述するだけ、それを読むだけならば、それでもいいでしょう。しかし、今後のことを予想し、コントロールするためには盛り込んでいる要因が多すぎます。
越後『学び合い』の会で何を話そうかな~っと考えました。私の講演は、アクティブ・ラーニングか『学び合い』で行っています。今は、それが需要が高いですから。大枚のお金を積んででも私を呼ぶという主催者のために、メージャーな話題を中心にします。でも、越後『学び合い』の会だったら、今はマイナーだけど、新作をぶつけてもいいかなと思います。
ということでカリキュラム・マネジメントの絵解きを講演したいと思います。おそらく、他ではしばらくはやらないと思います。しばらくは、頼まれても断ります。ちょっとハイブローすぎて、聴衆の反応は悪いに決まっていますから。聴衆のレディネスが育つまでは。上越まで来ようとする奇特な人ならば、なんとかセーフかもと思っています。
■ [お誘い]越後『学び合い』の会
10月7日、8日に、『学び合い』発祥の地である上越市で越後『学び合い』の会が開かれます。お誘いします。http://kokucheese.com/event/index/416667/
■ [お誘い]新宿の会
9月25日に新宿で『学び合い』の会が開かれます。お誘いします。http://kokucheese.com/event/index/427455/