■ [大事なこと]贖罪
書店には子どもを引きつける授業の仕方、大変な子どもをコントロールするための本があふれています。私は新任半年ぐらいで獲得し、1年ぐらいであるレベルに到達しました。これは暴走族だらけの子どもたち相手に物理を教えなければならないという極限状態にたたき込まれたことと、その状態でも授業を成立させていた先輩教師たちからかわいがられたという希有な状況がなさしめたものです。
全ての子どもが分かる授業、全ての子どもが楽しい授業はものすごく大変です。いや、一斉指導では「絶対」に不可能です。
しかし、大部分の子ども分かって、全員の子どもが分かったつもりになれる授業は可能です。大部分子どもが楽しくて、全員がそれなりに楽しい授業は可能です。それは「新任1年目を生き抜く 教師のサバイバル術、教えます」で書いたとおりです。ポイントさえ押さえれば大丈夫です。だから理学部を卒業した新任が、暴走族だらけの子どもたち相手に物理の授業を成立させたのです。
でも、今はそれが自分で許せない。面白い授業をしたから、子どもに人気だったからです。つまらない授業をして、嫌われる教師より罪が重い。先輩教師が経験的に知っていた、子どもとの距離感が若い私には分からなかった。
何を書いているか分からないと思います。でも、この気持ちが私をマシーンにしています。
■ [嬉しい]泣く
今、本を書いています。最終コーナーに入りました。初めての経験ですが、その本の推敲をしているときに、涙腺が決壊しました。本を書いているときに泣いたのは初めてです。「あ~、俺はこんな本が書きたかったんだな」と思いました。同時に、このような本を書けるポジションに到達したのだと思いました。
贖罪がかなうような気がします。
■ [大事なこと]戦略
現在、アーリーマジョリティ向けのホールプロダクトを充実させている。これは来年度中にかなりいくだろう。さて、次は何だろう。
一つは大量退職・大量採用のこの時期に若い教師・学生にどのように伝えるかだと思う。残念ながらアカデミズムが動くまで時間がかかる。自分自身の身分保障に関わるから。これは小中高の先生が変わるより時間がかかる。じゃあどうするか?一つは教育実習でつたえることだろう。それと嬉しいことに、高校の実践者が充実してきた。だから、高校の授業でつたえることだろう。
この仕組みをどう組み立てたらいいのだろうか?
もう一つは行政とのつながりだろう。これは私の不得意分野。どうしたらいいのかな?
一つ思いつくのはビジネスパーソンに繋がること。『学び合い』の考え方やテクニックはビジネスに直結する。ようは、どこから入り込むかだ。
今のところ思いつかない。でも、仲間が考えてくれるだろう。
キャズムを超えるのはいつだろう?
追伸 ネットサーフィンして嬉しかったこと。「私は『学び合い』を実践しないが、理屈は通っている」という記事があった。キャズムが近い兆候だ。私がとりあえず目指しているのは、『学び合い』の確信犯2割、『学び合い』のシンパ6割、『学び合い』が大嫌いな人2割。