■ [大事なこと]画期的
今書いている特別支援の本2冊は本当に画期的な本になると思います。その影響力に武者震いと悪寒を感じるほどです。ちょっと説明します。
第一は、現状の特別支援教育への挑戦状です。この本で、現在の特別支援教育でやっていることの殆どは「無意味」いや「有害」であることを示しています。これに対する反発が起こるでしょう。5、6年前にあった感情的で大人げない批判が再来するかもしれません。しかし、子どものために甘んじて受けましょう。
感情的な反発は出来るかもしれませんが、論理的な反論は出来ないでしょう。何故なら、従来の特別支援教育は教育村の中でクローズしているからです。今度の本は、その外からのデータに基づくものです。
以上は、深山さんと一緒にはじめた当初から出ることが予想できたものです。
第二は、特別支援の子どもの幸せがハッキリと見えました。もちろん今までも『学び合い』が特別支援の子どもの幸せに繋がることは分かっていました。しかし、それが学校教育を卒業した後に確かに繋がることを確認できました。
これがあるから、私も深山さんも涙を流して喜びながら本を書けるのです。
しかし、当初には全く分からなかったこと、少なくとも私には思ってもみなかったことがハッキリと分かりました。それは特別支援の子どもの方が「まし」であるということです。かなり誤解を生じる表現ですが、そうとしか言えないのです。理由は、障害のある人に対するセーフティネットはかなり向上しているのです。そのため、「生きる」ということに関しては障害者と認定されれば保証されています。
もちろん障害をお持ちな方の苦労は十分分かっているのです。しかし、私が怖いのは障害の認定を受けない程度の方、障害の認定を受けられるのにそれをしなかった人の未来なのです。
子どもの障害を受け入れたくない保護者は少なくないと思います。でも、是非、通常学級の教師もこの本を読んで、そのような保護者に紹介して欲しいのです。障害を認定されることによってセーフティネットを保証した上で、その子の可能性を広げることが出来ることを知って欲しいのです。
通常学級の先生方にも是非読んでいただきたい。というのは、特別支援学級の子どもがドロップアウトする理由は、学校教育で「障害」と思われていることではないのです。学校教育ではあまり問題とされていないことなのです。ということは、通常学級で問題なく学習し、高校、大学と進学する子は、同じ理由でドロップアウトする危険性があります。そして、障害者に対するようなセーフティネットの無いため、「生きる」という子とさえ保証されない状態になってしまうのです。
このことは2年前の私は理解していなかったことです。
特別支援の子どもの幸せがハッキリ見えた瞬間に、もっと深い闇が見えてしまいました。
高校の先生方に、とても厳しい現実をお話ししなければなりません。残念ながら、少なくとも一部の子どもに関しては手遅れかもしれません。その子の場合、小学校入学段階から『学び合い』の考え方で育てない限り無理です。もちろん、社会全体が変わればいいのですが、それが「出来る」と今の段階の私は言えません。
もちろん、出来ることはあります。しかし、闇の深さをこの本を書きながら知ってしまいました。